文化祭準備
文化祭
9月中旬にある文化祭。
俺たちランデ部の出し物は何かというと、
「あなたを占うわ」
最初の決め台詞
目を閉じ、額に二本指を当てて、目をカッピラいて相手を目でいぬいて言う。
「あなた、今日の朝、運命的な出会いがなかったかしら」
「え、なんでわかるんですか?」
「その子ともう一回会うわ、その時告白しなさい!その後のモテ期は10年後になるわ」
占い師である。
占い師のよくあるデフォルトの返し方を勉強していた。
誰にでも当てはまることをそれとなく、うまく伝える。
だが
「どうにも胡散臭い。」
「演技的だね、本番でもやるの?」
「文句言うんなら、あんたがやんなさいよ」
「わかった」
最悪だ、なぜ俺もやることに……
「言われたのは白波だけだろ、俺までやらされるなんて聞いてない」
「あいつらは男に対して敵対心剥き出しだからな」
目をカッピラく。
通常の目に戻る。
「あなた、今日死にますね」
「それダメーーーー!大喜利じゃないんだから」
「しっかりやれ」
俺がボケて回答すると赤月と神が突っ込んでくれた。ナイス。
あとは白波、任せた。
俺は前座、こう言う時、変に真剣にやると、演技っぽくなるが、それをさっき自分で指摘したのを返されるときつい。逃げの一手を興じたのだ。
「自然体が一番いいんだよ。」
そう言って最後に演じた白波が、占い師を務めることになった。
あいつののらりくらり、相手に臨機応変に対応するところが、占い師に向いている。なんか悔しい。いや、それよりも催眠術師の息子だからか。
そう思うと悔しさと言うのは引いていった。これも自分と他人の線引きか。
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