君を愛した未来の私

@xy01

第1話

……暑い

ベランダに出て風を浴びる深夜の2時。1人暮らしを初めて電気代が高くなるからと扇風機しかつけてない私は貧乏みたいだ。

私のアパートからコンビニはすぐ近くにある。いつもベランダからコンビニに入って行く人達を観察してる。昼間だとサラリーマンとか綺麗なお姉さんが居たりする。昼まで寝てるから朝は見てない。来年から仕事が始まる。だからこの1年は思いっきり

のんびりダラダラしようって決めた。

少し体も冷えて寝ようと思っていたその時


「ん?」


コンビニに入っていく女の子が見えた。小柄で髪は黒くて長かった。見た事ない女の子だった。

気になってずっと見てたけど10分以上経っても出てこない。見に行くことにした。


「着替え…んーいいやこのままで」


面倒くさがりな僕はそのまま家を出た。


コンビニに入ると飲食スペースで座って寝てるさっきの女の子が居た。髪はぼさぼさ。服もヨレヨレのを着ている。コンビニの店員さんに聞いて見る事にした。


「あの…」

「はい」


優しそうな人だ

「あそこにいる女の子っていつも来てますか、?」

「あー、よくいらしてます」

「理由とかって、」

「ごめんなさい。分からないです」

「そうですか、」


こんな夜中に1人で来てここで寝てるなんて危なすぎる。怖い人に襲われたらどうするんだ、

女の子がうつ伏せで寝てるテーブルの椅子の隣に腰を下ろした。


「……」

とんとん、肩を叩いた。起きない。もう1回


「ん、」

「起きた?」

「…誰、ですか」

「あ、ごめんね近くに住んでる者です」

「…」


怖がられてる。起きたら初めて見る相手がいるんだもん。そりゃ怖いよね


「なんでここにいるの?」

「…家、怖いから」

「怖い?」

「親が喧嘩してるの、だから…」



目を潤ませて話している女の子を、腕には沢山の傷があって、やせ細っている女の子を、私はどうしても放っておけなかった


「おいで」

「?」

「お姉さんの家おいで。狭いけど」

「…」

「ほら」


女の子の手を引っ張ってコンビニの店員さんにお礼を言ってコンビニを出た。手も小さい。何歳なんだろう。けどちゃんと握っててくれる。この感覚久しぶりだ




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る