第三十九話 仲良くしてやらないこともない
探索者協会から送られた情報をもとに、ハルカ、カノン、刀華、
近接戦闘に特化したハルカと刀華が前衛として敵を食い止め、火力に特化したカノンと
結論から言うと、一行はあっさり
「〈チェイン・ライトニング〉!」
手のひらから放たれた白い大蛇の如き雷光が、蟻たちに次々に喰らいつき、焼き尽くした。
〈魔法使い〉系のクラスは、元来範囲攻撃に長けている。
その中でも
黒い激流の如く押し寄せた〈アイアン・アント〉の大群が、数匹を残して瞬く間に倒れた。
さらに――
「〈影渡り〉」
その体が、水に潜るように足元の影の中へと沈んだ――かと思えば、
影から影へ瞬間移動する〈アサシン〉の移動スキル、〈影渡り〉を使った奇襲攻撃だ。
「こんなものですか」
「雑魚は大したこと無いね」
と、
〈魔導王〉の
それがこの二人の基本戦術だ。
『レン様の火力ほんまエグいな』
『
『さすがA級コンビ』
『レン様はもうすぐ特級かな?』
『陛下とどっちが先に特級行くかよく話題になるよな』
A級の〈魔導王〉
A級の〈アサシン〉
二人のコンビネーションに、リスナーも沸き立つ。
さらに――
「〈半月〉!」
「〈太刀風〉!」
護衛を失って無防備になった
「・・・・・・これで終わり」
最後はカノンが傷口に〈ジャベリン〉を叩き込み、
圧勝。瞬殺。そんな言葉が似合う戦いぶりだった。
『すげー一瞬で終わった』
『まあA級三人にB級二人ならこんなもんよ』
『ハルカノもB級にしてはかなり強いからな』
『それな。ギリA級くらいはあるんじゃね?』
『やっぱ陛下とレン様のコラボは最高だな』
刀華と
なんだかんだ言って、やはりリスナーは強い探索者が好きだ。
強ければ何をしても許される――というわけではないが、それに近いのが
さて、戦闘および配信終了後――
「ちょっと戦力過多だったねー。あっという間に終わっちゃった」
大きく伸びをしながら、
「あらためてちゃんと自己紹介するね。あたしはクラン〈スターライト〉のリーダー、〈
「・・・・・・よろしくお願いします、二人とも」
「ハルカ・ミクリヤです。よろしくお願いします、
「・・・・・・ハルノ・カノンです」
ハルカが素直に挨拶し、カノンは警戒しながら
もう一度ハルカに抱きつこうとしたら、即座に間に入るつもりだ。
「うんうん、よろしくね二人とも。知ってると思うけど、刀華はあたしの一番の友達なの。その刀華にすっごく可愛い後輩が出来たみたいだから、ずっと会ってみたかったんだ」
「会ってみたかった、ってのはいいんですが・・・・・・」
ハルカは苦笑した。
「いきなり抱きつくなんて、あり得ないです」
カノンが不機嫌そうに言う。
「ごめんごめん、推しに生で会えた感動が抑えられなくて」
「
「というか、出来れば相手が女性でも誰彼構わずハグしに行くのはやめてくださいませ」
「手厳しいなー、二人とも」
刀華と
「
ハルカは思わずそう訊ねてみた。
まず間違いなく切り抜かれ、拡散させることだろう。
「あー、だいじょぶだいじょぶ。あたしはそういうの慣れてるから」
と、
「
と、刀華。
「まあ、あたしくらい有名になると何やっても絶対に何かしら叩かれるし。それなら、炎上なんて恐れずに自分のやりたいことをやったほうがマシでしょ? だからハルカくん、カノンちゃん、これからもあたしと仲良くしてね。
「・・・・・・
とはいえハルカを見る目は警戒心バリバリで、どう見てもお友達になりましょうという感じではない。
「仲良くしてやらないこともないです、ハルカ、カノン」
「う、うん。よろしく、
鋭い視線を浴びながらも、ハルカはなんとかそう言った。
「・・・・・・むう」
そんなハルカの様子を見て、カノンは唸る。
自分でも何故かはわからないが、ハルカに女友達が増えるのは面白くない。
ましてや
とはいえ先輩である刀華の友人である以上、邪険にもできない。
仲良くしてくれと頼まれれば、嫌とは言えなかった。
こうしてハルカとカノンの二人は、四天王の一人〈
────
あとがき
執筆用キーボードの調子が悪い
ちょっとペース落ちてます
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