第2話  同室のニナ

「本当に、告白する気なの!?ニナ。相手は同じ年といっても二年もスキップしてるSSSランク確実のあの、ジェド・マーロウでしょ?確かに可愛い顔してるし、女の子にも人気があるわ。

 でも彼には、亡国の王子だという噂も、エル・ロイル家の銀の姫が狙ってるとも噂があるのよ。高嶺の花だよ。やめときなよ~」


 アリシアは、父と教授が今後の己の進路の話し合いをされている時に、宿舎で同室のニナ・フランカが、とうとう片思いの相手に告白するのだと告げられる。


 アリシア自身、父似の金髪のストレートヘアだったが、鬱陶しくて肩のあたりでカットしていた。

 ニナは、そんなアリシアの金髪が羨ましかった。

 普通の茶髪だったからだ。

 それでもニナは、少しでも彼に近付きたくて猛勉強をした。

 結果成績は、それなりに上がったが、でも彼は一般教養の後、直ぐに個人修行に入る事が決まっていた。

 それだけ、彼への期待が大きいことが覗える。


「だって、あいつ瞳が銀色よ!血筋がきっとヤバいよ!!」


 この世界、魔法使いは血筋で決まるようなものだ。

 アリシア自身、リーフス王国の神官の家系で生まれた。

 家からは、何人か魔法使いも輩出している。

 その中でも、父は特出していた。

 良い所でBランクの上、ほとんどがBランクの中程度の魔法使いしか出ない家系なのだ。

 神の系譜に近いほど、SSSランクへの道は近いなどと噂されていたが、あながち嘘でもないようである。


 ジェド・マーロウも、銀色の瞳と髪を持つと言われている神の系譜の一端であると思われる。


「玉砕覚悟よ!!あとひと月で、専攻に分かれるのよ!!彼の大地の魔法には対抗は出来ないかもしれないけど、愛があればどんな壁だって乗り越えれるわ!!」


 ニナの目はハートマークになって、最早アリシアの言葉なぞ入ってこなかった

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