寂しい朝に

@momoke

第1話

冷たい風が頬にあたる。


眠れなくて、気がついたら朝の5時。

仕事があるのに、このままじゃだめなのに…。


そう思うと何もかもから逃げ出したくて

海に来た。


太陽が水平線から顔を出し始め、

光り輝く水面は、ゆらゆらと揺れている。


ゆっくりと砂浜を歩いていく。

さくさく、と私の足音が響く。


誰もいない。


私だけの世界。


すべての時間が止まったように感じる。

あぁ、このまま、今日なんて日が、動き出さなきゃいいのに。


だけど、日は昇っていく。

こんなにも綺麗なのに、私を救ってはくれないんだ。


項垂れる私の影が長く伸びていく。

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