第17話 色白文書
「はろはろー☆ ナイアルラちゃんだよ☆」
いつも通り念話が飛んできた。
「今日はね~、これ☆ 【色白文書】ー☆」
いきなりぶっこんできた。
だが念話で送られてきたのはA4用紙が複数枚積み上げられた文書である。
内容は表紙がつけられていてわからない。
「これはねー、中身は白紙なんだよ☆」
はい?
白紙なのに文書?
「中身に書かれた文章がねー☆ なかったことになるんだよ☆」
なかったことになるってどういうことだよ。
「なんとねー♡ 白紙……この文書に何も書かれなかったことになるように現実が改変されるんだよ☆」
白紙になるだけ、ってことか?
「違うよー」
は?
つまり、書き込まれた事実が消え去る……?
「そゆことー☆ まあ消える範囲はまちまちで制御出来ないんだけどね☆」
要するに。
書き込まれた情報が消える。
書き込んだ人間を消すことで書かれなかったことにする。
書き込んだ事実を消し去ることで書かれなかったことにする。
書き込んだ時間を消し去ることで書かれなかったことにする。
おそらくはある種のセーフティもあるはずだ。
同じ内容が書き込まれないように、過去を消し去るのが最低ライン。
「せいかーい☆ まあ最大範囲は文明ごと消し去るけどね☆」
最大範囲……。
そっちにはセーフティないのかよ。
「まあそこまでのケースはなかったみたいだけどね☆ これは捧げ物としてもらったからね~☆」
そういうケースもあるのか。
「で、欲しい?」
いらん。
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