沼って落ちたい
花月るうあ
第1話
僕には好きなアイドルがいる。
アイドルグループ【LieN(リアン)】のメンバー、
最近、注目されているアイドルグループで女性ファンが9割。残りの1割は男性ファン。その1割が僕ってわけで。
めちゃくちゃオタクをしている、僕。
「莉羽……なんて綺麗なんだ……」
中性的な顔立ちに長めの髪が更に僕の心をグチャグチャに――
「お前ほんと相変わらずキモイぞ」
「うるさい!莉羽は僕にとって神超えて仏様なんだ!」
「はいはーい、一生夢でも見とけ」
親友の高沢凛太郎。オタクの僕とは真逆でただのヤンキー。
オタクの僕とヤンキーの凛太郎が仲良い理由は僕が凛太郎に殴りかかったことがあるから。
でもこれには理由があって莉羽のことをバカにした凛太郎にイライラして殴りかかったって感じだけど。
拳を交わし合うと仲良くなるって噂は本当みたい。(そんな噂はありません)
「そんなに好きならライブでも行けよ」
「最近さ急に人気になってきてチケット取れないんだよ……しかもさ聞いて!?」
「聞いてるって」
「まだこんなに人気になる前、劇場とか見に行ってたんだけどさ人気になっちゃってもうなんか遠い存在になっちゃってさ、もう僕どうしたらいい?」
「いや知るかよ」
LieNは4人グループで、
莉羽は僕と同じ歳でグループの中では最年少なんだけど莉羽の人気はLieNの中でも1番人気だ。
初めて劇場でLieNを見た時、僕の目は莉羽に釘付けになっていた。
もう莉羽しか目に入らなくてその日から莉羽のファンになった。
綺麗な顔立ちもそうだけど莉羽から溢れ出る独特な雰囲気に沼っていった。
初めてなにかに夢中になれた。それが莉羽だった。
そんなことを考えているとスマホの通知が鳴った。
「なんだって!?」
「うおービックリした。なんだよ急に」
「やばいやばい!莉羽が!インスト始めたって!」
「……それがなんだよ」
「重大だ!フォローしなきゃ!」
学校が終わったら速攻フォローしようと心に決めて莉羽の画像を眺めながら一日頑張った。
「莉羽のアカウント……あったー!!!」
絶対そんなことはないんだけど何かの手違いでフォロー返してくれないかなとか……僕は何をおこがましいことを……!ごめんなさい!莉羽様……!
〝ポチッ〟
莉羽のアカウントをフォローして早速インストを覗いていた。
もう既に莉羽の画像が色々と載せられていてそれを見てニヤニヤが止まらなくて。
「莉羽はやっぱり……仏様だ……美しい……」
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