【完結済】拡張現実におおわれた世界で
プラ
第1話 プロローグ
「CAREを外そうとするのも駄目だよ」
小さいころ、一日一度は耳にした言葉だ。ゲームや、両親、先生、様々なタイミングで耳にした。その言葉の通り、いかなる時でも外してはいけなかった。
この頃は、CAREとは、拡張現実を網膜に投影するデバイスと説明されても理解できない。ただ、ゴムに近い触感の物が顔の上半分にぴったりと張り付いていて、不思議に思っていた程度だった。
だから気づく由もなかった。CAREを外すなということは、僕たちに一日中、寝ている時ですら拡張現実の世界で生活することを強いているということに。CAREの作り出す拡張現実は現実世界を彩る程度ではない。現実世界を全て覆いつくしているということに。
見える世界は嘘で覆われたものになってしまっていることに。
高校生の僕はそんな世界に辟易としていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます