しょう

 小指球に紅斑ができはじめたのがいつか、おぼえていない。小説が、依然と同じに書けるようになるかどうかわからない。小説の言葉を寝かせたり立たせたり一行ブランクに蝶番を仕込み意味を反転させ大伽藍の側廊に脇役のストーリーを走らせ語りによって時間を操作し言語の線状性を眺めシンボルやアトリビュートを織り込みながら登場人物の性格描写して場面を演出したりして楽しめない。正気を保つのに小説を書くことが必要だなんて、馬鹿みたいだ。ショウガナイネ小説を書いて初めて自身を使い尽くすヨロコビを知った。

 

 

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