026 素材の売却

 広々とした倉庫にはたくさんの人がいて、素材の解体をしている。


「おう、そこのお三方、ここ空いてるぜ」


 禿頭のおっちゃんに促されて、その人のいる区画へ。事前にマリーの背嚢に入れていた素材たちを順番に並べる。


 ・フォレストウルフの牙×4

 ・フォレストウルフの爪×4

 ・フォレストウルフの毛皮×2

 ・コボルトの牙×2

 ・コボルトの爪×4

 ・フォークバードの牙×6

 ・フォークバードの嘴×3

 ・ハンマーボアの大骨×5

 ・ハンマーボアの内臓×4

 ・ワイルドラビットの毛皮×4

 ・ワイルドボアの背骨×2

 ・ワイルドボアの牙×4


「どれも素材としては下級のものだし解体もちっと雑だな。目玉商品になるのはハンマーボアの大骨か。買い取り金額を伝えるぞ……。まぁ、解体費をとらない分、少しは色をつけさせてもらうぜ」


 禿頭のおっちゃんが素材の検分を終えると、指さしながら金額を伝えてくる。フォレストウルフの素材が三種合わせて大銅貨2枚、コボルトの素材は爪が一つ値段がつかず計五点で大銅貨1枚、フォークバードの素材も大銅貨1枚、ハンマーボアの素材は大骨が大銅貨5枚で内臓が大銅貨2枚、ワイルドラビットは毛皮で大銅貨1枚と小銅貨2枚、ワイルドボアの素材は合わせて大銅貨2枚だ。

 合わせて小銀貨1枚、大銅貨5枚、小銅貨2枚になった。


「結構いいんじゃないか? な、マリー」

「はい! 私もそう思います!」


 商才スキル持ちのマリーがそう言うなら間違いないだろう。というわけで、提示されたその金額で買い取ってもらった。やっぱりハンマーボアの素材が高かった。ワイルドボアより貴重な種らしいし。肉は食べる用にキープしているが、買い取りに出せばそれなりに高値だっただろうか。


「ボアやワイルドラビット、フォークバードと肉が食えるやつばっかだが、肉は出さないんだな。さてはアイテムボックススキル持ちか?」

「あ、まぁそんなところです」


 俺はそう答えておいた。異世界転生しました、なんて言ったら面倒なことになりそうだ。


「ほぉ、そりゃ羨ましいぜ」


 素材をせっせと運ぶおっちゃんに、俺はあるものを見せてみた。


「おーん……それを買い取りに出すなら商人ギルドの方がいいな。買い取れないこともないが、ちっと安く見積もっちまうかもしれないからな」


 ……やはり塩を売るなら商人ギルドに行くしかないか。商人ギルドとの売買をするには商人ギルドに登録するしかない。……小銀貨1枚の手数料を支払って、いったいいくらの儲けになることやら。

 冒険者ギルドを出つつ、二人に相談する。


「せっかくの売り上げから小銀貨1枚使って、商人ギルドに登録してもいいか?」

「それはもちろんいいですよ」

「まぁ、別に私はかまわないわ」


 二人から快諾も得られたことだし、次の行先は商人ギルドだな。

 取り敢えず、先に冒険者登録の手続きが待ってるんだけどね。

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