尾張の殿さま
帰国して、まずは日本にいる宣教師たちと合流しようと京の都を目指したんだ。
カソックという黒くて長い着物を着て歩いていると、バテレンとすぐに分かるようでキリシタン信仰を持つ人からは熱い歓迎を受けた。
京の都で出会ったのが、バテレンのルイス上人とイルマンのロレンソさん。
「これから、わたしたちは、尾張の殿さまに布教のお許しを頂きに行きますがついて来ませんか?」
ロレンソさんがボクを誘ってきた。ロレンソさんは、目が不自由で、元々は仏教のお坊さんで、琵琶法師をしていたんだって、それに、フランシスコ上人さまの事を知っていたのですぐに仲良くなったんだ。
ルイス上人も新しい仲間が増えたと大喜びしている。ボクがインドのゴアに留学した話しをするとルイス上人が満面の笑みを浮かべた。
「わたしも、ゴアの聖パウロ学院で学びました」
神学院が同じって、何か嬉しく感じた。そんな感じですぐに二人と打ち解けて尾張の殿さま、織田信長のもとへ向かう事にしたんだ。
何でも、少し変わった殿さまらしい・・・・・・
何だか会うの少し怖いな・・・・・・
「信長さまは、新しい物が好きなようですから、きっとお土産をお渡しすれば大丈夫ですよ」
ロレンソさんが言うとルイス上人も頷いた。
そうこう話しながら歩いているうちに、信長さまの城へついた。
門番が珍しげな顔をしてルイス上人を見ていた。
さすが、天下の信長さま、立派なお城だなと中を見ながら歩いた。
案内係に通された部屋に信長さまはいた。
大ウツケとか聞くけど案外普通の殿さまに見える。
「おお良く来た、良く来た、面をあげて楽にせい」
信長さまは、笑顔でボクたちを迎えてくれた。
お土産物を渡すと「おお! 南蛮渡来の品々でないか?」
信長さまは、大喜びなのでここぞとばかりにロレンソさんが「キリシタン宗の布教を許していただきたい」と信長さまに尋ねると信長さまは首を縦に二回ふった「うむ、うむ、南蛮寺でも神学校(セミナリオ)でも好きに建てるが良い」と宣教の許可を下さったのだった。
それからしばらくの間は、どんどん南蛮寺も出来たしボクは、神学校(セミナリオ)で先生をしたりもしたんだ。
平民だけではなく、大名たちもキリシタンになっていったりして、ボクもがんばって宣教活動をこの時代はやったんだ。
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