第2話 改稿

 それはシェルが生まれてちょうど四年が過ぎた頃に事故が起きた。


 未だ領地に居る頃出来事。

 「ンショ、ンショ」と、足取りも危なげな幼児が、屋敷の階段を手摺にも手が届かず壁づたいに一段一段慎重に階段を降りている時に、幼児の後ろにこっそりと立つ一人のメイドが、幼児を階段から突き飛ばしたのだ。

 階段から落とされた幼児は、この屋敷の長女で名をシエルと言う。

 そのシェルが、ドンと背中を押され飛ぶ様に階段から転げ落ちた。

 シェルを突き飛ばしたメイドは満面の笑顔を浮かべ、シェルが階段から転げ落ちるのを観てその場から立ち去った。


 が、偶々その後ろ姿を階段下から見かけた人物がいた。


(おや? あれは確か…後ろ姿だが間違いないが何を観ていたのか?)


 階段から下を覗きそそくさと立ち去る人物の後ろ姿を確認し、次に走り去った人物は何を気にしてたのか?と階段下に目を遣ると、「あ、あれはお嬢様!」慌てて階段下で倒れているシェルに駆け寄り声を掛けた!

 その人物は、慌ててシェルに駆け寄りシェルに声を掛けたが、シェルは既に意識もなくぐったりしていた。


 シエルの身体は、身体中の打撲が酷く重症で頭部の打撲根もあり重篤な状態だった。


 その事故でシェルは数日目を覚まさなかった。


 強く頭を打ち、身体のあちこちに怪我をしていたシェルを屋敷に常駐して居る魔術師に直ぐに見せ、早急に治療をさせ傷を治したがやはり意識が戻らなかったのだ。


 両親も兄も心配して付ききりで看病した。



 シェルを突き落としたメイドは、シェルの侍従のネイスがそメイドを偶々見掛けて居たため、直ぐ様メイドを捕らえ事情を吐かせた。

 その後直ぐに、メイドがシェルを階段から突き落としたと吐いたのでそのままメイドを奴隷に落とした。


 そのメイドは日頃から余り態度の良くないメイドで、特にシェルにはきつく当たっていたようで、家族の目を盗んではシェルに暴力を振るっていたのだった。


 その事を知った父グエンドルは、怒り狂いその場でそのメイドに斬り掛かったが、殺す寸前んで家令執事に止められた。


「旦那様!お怒りに為るのは分かります!ですが、ここでこ奴を殺してしまえばシェル様が苦しみますぞ。そして、その悲劇を知れば更にお嬢様が悲しみます。故に主様、どうか堪えて下さいませ」と、執事に諭されメイドは犯罪奴隷として奴隷商人に売り渡したのだった。


 そして、事故から数日やっとシェルが目を覚ました。


 が、ベッドの上で目を覚ましたシェルだが。


「ええっと……ここは何処だろう?」とぼんやりと頭の中で考える。

「ん~何で私はここで寝てるのかしらね?」


 ここ見た事のない立派な天井だわ……。

 あ!これ、一度言いたかった台詞だフフフ言えた。


「ククク、この台詞……言えたわね。なんか、なんかねぇ~。面白いわ」と訳の分からない感想を呟いた。「ってか、ここ何処?!」


 シェルは寝ていたベッドから、がばりと上半身を勢い佳く身体を起こすと僅かに頭に痛みが走ったのだが……「つっ…」痛い!主に顳顬辺りに痛みが走りまたベッドと、お友達に為る。


「い、つたぁ~い」


 えっと、なんでここに私が居るの?

 えっと…ってか……手が小さいし身体も小さい。

 はあ?ってかこの子誰よ!鏡は? 

 鏡はっ!あそこにあるけど遠いぃ~。

けど見えるわねぇ……ってか見える。   

 えっ誰?

 えっと、あたしは………あたし…は…?

 ん~誰だった?


 駄目だ!考えると頭が痛いし…仕方ない。

 痛みが収まるまで寝ちゃおう!

 おやすみなさい………。


****



「……シェル……シェル……シェルさん!起きて下さい。仕方ないですねぇ……。初音さん!緑川初音さん!起きて下さい!」

「んん……誰よぉ~私を起こすのは…眠いのよ」

「起きなさい!!」

「は、はい!緑川!起きました。って、またここ何処よ」


 ガクッと肩を落とし項垂れる。

 さっきとまた違う場所じゃね?


「フフフやっと起きましたね?緑川紫音さん?」


 ……誰?このイケメンは!


「………ええっと、貴方は何方でしょうか?失礼ですが、面識はございませんよね?(ってか誰!こんなイケメン私は知らないわよ!)」

「ええ!そんな冷たいですよ!覚えてませんか? 本当に覚えてないですか? ほら、四年と少し前にお会いしてますよ私達」


 ニコニコ…怪しい笑い方……なんか見覚えが…。


「ああ、そうでした!あの確か……貴方は神様でしたよね? お名前はえっと、確か…アリスタス様でしたか?」

「正解です。良くできました」


 パチパチと手を叩いて誉めてくれるけれど……何が起きてるのかな?状況が全く読め……たわ。

 ああ、私は転生したんだっけね。

 さっきの小さな手と身体は今の私だわ…。


「あの神様……思い出しましたので、此で失礼しますね?」

「いえいえ、それは良かったですねぇ。所で……貴女は未だ此方に来たばかり。少しお話しをしませんか?」

「はぁ……話しですか? 一体何のですか?」

「いえ、特段決まってはないのですが……」


 確か、この神様……お話しが少し長いのよね。


「まぁ、そう言わずに?ねっ」

「私の思考を読むの、やめて貰っても良いでしょうか?」

「……それはすみません。癖で」

「所で、アリスタス様。お伺いしても?」

「ええ、構いませんよ?」

「私はなんで寝てましたか? 確か……あ、あれ? なんでかな?」

「それですよ、ほら私と約束したでしょ? 十才に為る迄は記憶を戻さないと」

「……確かに聞きましたね? そんな事をでは何故?」


 あったわねぇ…んな約束がさっ。


「ですよね?ところが、あのメイドさんのお陰でね、四才と五ヶ月で貴女の前世の記憶が戻ってしまいました!」


 私の封印が解けてしまいました!

 パチパチ!と手を叩く神様……馬鹿にされてる気持ちが湧いて来るのは気の所為かしら?


「……あの、馬鹿にする云われはありませけど? それならまた元に戻せば……」

「馬鹿になどしてませんよ? 楽しいですがね?フフフ。 ですが駄目なのです!そんなこをしてしまったら、貴女の脳が破裂してしまいます。要はキャパオーバーなのですね。フフフ」

「パン」と手を叩いて音を出す。


 怖いわぁこの神様……狂喜じみてない?


「失礼ですね…私はそんな趣味はありませんよぉ~!」

「はぁ……色々脅かされてるので。少し思っただけですが。それで、なんで駄目なのですか? 今破裂すると物騒な言葉を聞きましたけど?」

「そうです!貴女の脳はそれでなくても、お約束した魔法や色々なスキルをこれでもか!と、授けてしまいましたからねぇ。これでまた、記憶の操作をしてしまうと…貴女はこの世界でも生きるのは難しく為って仕しまいますよ? それにぃ~元々の輪廻から外れて、地球から私の世界に来ましたからね。私の世界の輪廻からも外れたら」

「たら?」

「再生不可、二度と生まれることは出来なくなり魂が消滅しまぁす!」


 ポャンとした丸い形のフワフワした煙を掌に浮かべた神様は、それに向かってふぅ~と息を吐いてフワフワを吹き飛ばし、それを消してしまった神様……。

 もしかしてその消えた物が私の魂の見本とか?

 でも……ん~それはそれで良いのかな?と一瞬だけ思ってしまった私です。

 しかし、長い説明ご苦労様でした。

 お茶を出せなくてすみません。


「いえ、お茶なら、ほら!どうぞ? 初音さんも飲みますか?」


 パッと光ると目の前にテーブルとお茶が乗って出てきた。

 流石神様ですね?


「いえ、それ程でもあります!フフフ」


 少し笑って、ふぅふぅとカップに息を吹き掛けてずずずっ……とお茶を飲む神様。

 それを見た私は「あっ、これはどうも……」とお礼を言いつつずずっと音を立て進められたお茶を頂く。


「お、これは美味しい♡」


 お茶美味し♡


「そうでしょ? 地球の宇治茶ですよ」とニッコリと笑うイケメン様です。


 私も前世でこんな美人だったら、こんなイケメンさんと結婚したかったわぁ~(笑)

 等と勝手に思ったものです四年も前に。


 それにこんな事があっても良いのかしら?

 ぼんやり思う初音であった。




 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


長い!

ですがプロローグもう一話あります。


よろしければ続きもお読みください。


すみません…読み直ししたら、メタくそ雑な文章だった。

ので、書き直ししました。



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