かごめかごめ

ピーコ

かごめかごめ

日本の童謡には、怖い噂のあるものが、いくつかあります。その中でも、かごめかごめは、怖い噂が何個かあります。今回は、一番有力な説を元に、お話を作ってみました。


私は遠藤美晴、24歳、コンビニでアルバイトをしている。私は、いつも買いに来てくれるお客さんとお付き合いしている。お相手は、28歳の佐藤学さん。職業は、お医者さん。


ひいおじいさんの代から、皆、お医者さんらしい。まさにエリート家系だ。


私のほうはと言うと、父は、平凡なサラリーマン、母はスーパーのパート、私は高校を途中で辞めてフリーター。私と学さんの家とでは、雲泥の差。


先日、学さんから、プロポーズされた。「こんな人生逆転することある❓神様ってやっぱりいるんだなー」私は、心の中でガッツポーズをした。


その後、私の妊娠がわかった。3か月だった。学さんは、私の両親に結婚の了承を得(え)に来てくれた。父と母は、大喜びだった。


母なんて「よかったねー、みーちゃん。みーちゃんがお医者さんの奥さんになるなんてねー。夢のようだわ」普段、無口な父も「本当によかったな。幸せになるんだぞ」って言って、私の頭をポンポンと優しく撫でてくれた。


挨拶が終わり、学さんを駅まで送る帰り道、私は学さんに聞いた。「そろそろ学さんのご両親にも会いに行かないと」


すると学さんは悲しそうに言った。「ごめん、美晴が傷つくと思って言わなかったけど、うちの両親も親戚も、俺たちの結婚反対してるんだ。」


私は言った。「そりゃ、そうだよね。学さん家は、代々、皆、お医者さんのエリート家系だもん。私みたいな中卒のフリーター嫌だよね。」


私は、自分のことを憎んだ。でも学さんは、「俺は家柄とか、学歴とか関係ないと思ってる。俺は、素直で優しい美晴のことを好きになった。だから、俺は、美晴を選んだ。お腹にも赤ちゃんがいる。二人で大事に育てような」


それから数日して、私達は、籍を入れ、学さんのマンションで新婚生活が始まった。


本当に学さんは優しい。私は、つわりが、ひどくて寝込む日々が続いた。そんな時でも学さんは、嫌な顔もせず、家のこともしてくれる。


本当に、この人と結婚してよかったと思った。それから時が過ぎ、私は、臨月になった。


母が、里帰り出産するように勧めてきた。

学さんもそのほうが安心だから、実家に帰るように言ってくれた。


私は、次の日、実家に帰る準備をしていた。その時、学さんから電話がかかってきた。「美晴、すまないけど、俺の実家で暮らしてほしい。両親が、やっぱり許すって言ってるんだ。俺たちと同居したいって。美晴の面倒は、うちの母が見るって言ってるんだ。悪いようには、しない。頼むよ。」学さんの頼みを断る理由は、なかった。


「わかった。私、学さんのご両親と一緒に住むわ」。


「よかった」学さんの安堵した声が聞こえた。


それから、また数日が経ち、私達は、学さんの実家に引っ越した。学さんの実家は、桁違いだった。立派な門構えの日本家屋だ。門から玄関までが遠い。庭も、めちゃくちゃ、広い。うちの家が何軒入るだろう。


私は、心の中で笑った。庭には、大きな池。高そうな鯉が何匹も気持ちよさそうに泳いでる。


学さんのご両親が、優しく迎え入れてくれた。「ようこそ、美晴さん」なんて、美男美女のご両親なの。お義母さんなんて、まるで女優さんみたいだ。髪の毛をきれいにアップにしていて、高そうな着物に身を包んでいる。お義父さんもダンディーで、かっこいい。


私が、ボーッと見惚れていると、お義母さんが「美晴さんの身の回りの世話は、私がなんでもするから言ってね」とニコッとして言ってくれた。きれいなのに優しいなんて、どこまで、いい人なの。私は、本当にうれしかった。毎日が幸せだった。


学さんは、もちろんのこと、学さんのご両親は、本当に優しい。特にお義母さん。


昨日は、お義母さんと銀座のデパートに、赤ちゃんの準備の物を買いに行った。佐藤家は、専属の運転手さんがいる。高級外車に乗って、銀座のデパート。


私は、まるでお姫様にでもなった気分だった。


その日の夜、お義母さんが買ってきたものを私たちが住んでいる2階の部屋に一緒に運んでくれると言ってくれた。


その日は、学さんとお義父さんは、宿直でいなかった。お義母さんが「美晴さん、うちの階段は、急だから危ないでしょ。ゆっくり上ってね。」なんて気遣いの出来るお義母さん。私は、本当に、恵まれてる。


私とお義母さんで、荷物を全部運び終えた。お義母さんが「今日の晩ご飯は、2人きりね。美味しいお寿司でも取りましょうか❓」と言ってくれた。私は、お寿司が大好物なのだ。


引越した日に、ご馳走してくれたお寿司のことを思い出した。あのお寿司めちゃくちゃ美味しかった。特に、あのウニ、美味しかったなー。


私が、思い出し笑いをしていると、お義母さんが「美晴さんが先に降りて。階段、急だから、ゆっくりね。」と優しく微笑んだ。


私が階段から降りようとした時だった。ドンッ。


お義母さんが私を階段の上から、強く押した。


私が、一瞬、振り返った時、お義母さんは、ニヤリと意地悪そうに笑い言った。「あんたみたいなバカな女を受け入れるわけないじゃない。最初っから邪魔だったのよ。早く死ね」と。


私は、一番下まで、転げ落ちた。私は、頭を強く打って死んだ。お腹の赤ちゃんも助からなかった。


私の死は、事故死という事になった。その後、何事もなかったかのように、学さんは、良家のお嬢さんとお見合いをして結婚した。


かごめ かごめ かごのなかのとりは いついつでやる よあけのばんに つるとかめが すべった うしろのしょうめん だーれ 


この歌の噂で一番有力とされているのが流産説です。


かごめは、妊婦で、カゴの中のとりは胎児を表しています。つるとかめが、すべったの意味は、妊婦が誰かに、突き落とされ流産してしまった。


最後のうしろのしょうめん、だーれは、背中を押したのは、誰と犯人を探している様子を歌っているそうです。怖い歌ですよねー。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

かごめかごめ ピーコ @maki0830

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ