“俺のペットの春音だよ、可愛いだろう?”
神石水亞宮類
第1話 “俺のペットの春音だよ、可愛いだろう!”
私は“ある男性にペットとして飼われている。”
彼の家は大金持ちで、彼はお金持ちの息子だ!
私はお金が無く、ネットカフェで生活していたのだけど、、、?
それも派遣先の仕事がコロナのせいでできなくなり、路上の生活を強いられる。
勿論、若くて可愛い私が路上生活など出来るはずがない!
何をされるか分からないし、外で寝る事は犯罪に必ず繋がるモノだと思っている。
・・・だからといって、所持金は既に12円しかない。
コンビニも行けないし、何も買えない!
お腹を空かして駅前で蹲ってると? チャラそうな男達が私に声をかけてくる。
『お姉ちゃん! こんな所で蹲ってないで、“いい仕事紹介するよ。”』
『結構です!』
『でも? お金ないんだよね?』
『仕事なら自分で探します!』
『いいから、いいから! 俺達に着いて来いよ!』
『やめろ! 彼女が嫌がってんだろうが!』
『はぁ!? お前誰だよ?』
『“お、俺は、彼氏だよ!”』
『なんだよ、早く言えよ! 彼氏が居るならやめとこうぜー!』
『あぁ、でも残念だわ! いい女だったのに、、、。』
『おい、大丈夫か?』
『助けてくれたありがとうございます、でも私はもう大丈夫ですから。』
『これくらい気が強い女だと俺が出る幕はなかったのかな。』
『そ、そんな、凄く助かったわ!』
『それなら良かったんだけど、』
【グ―――――――ッ】
『・・・・・・』
『腹減ってんのか? 何か食べに行こう! 俺が金なら出すよ。』
『・・・で、でも、』
『気にするな、俺は金持の息子だから、金ならたらふくあるんだよ。』
『・・・じゃあ、お言葉に甘えて。』
『おうおう、甘えろ! 甘えろ!』
・・・流石に私は彼に気を遣ってファミレスで奢ってもらう事にした。
最初は、“高級焼肉、高級割烹料理、一見さんの彼の行きつけのお店など”
何処のお店も高そうだったので、私がファミレスでいいと言い張ると、、、?
彼もそれならとファミレスに行く事にした。
『しかし? お前、よく食うな! いつから食べてないんだよ。』
『・・・1週間ぶりぐらいかな?』
『はぁ!? 仕事はなにしてんだ?』
『派遣よ! 今はコロナだから、仕事がないの。』
『じゃあー“仕事も家もなにかも俺が面倒見てやる代わりに俺の条件を
一つ聞いてみるか?”』
『えぇ!? 何?』
『“俺のペットになれ!”』
『はぁ!?』
『ペットと言っても、別にお前の自由を奪う気はない! 自由にすればいいし
何かしろと言ってるわけじゃないんだ!』
『じゃあ、ペットって? 何するのよ。』
『“特別な事は特に無い!”』
『・・・ぺ、ペットなのに? 何もしなくてもいいの?』
『あぁ、俺がお前にご飯代や家、仕事を世話するだけだよ。』
『そ、それならやるわ私!』
『決定だな!』
『そんな事でいいならね。』
・・・確かに、彼の言ったように“特別な事は特に何もしなくてよかった!”
一つを除いてね!
彼は私にその事だけ言わなかったのよ。
彼は金持ちの息子だから、毎日のように何処かでパーティーに誘われるらしいの。
でも? いつもはそんな所に顔も出さない彼が、“自分のペットを自慢する
パーティーがあるらしく彼はそれには必ず参加するらしいの。”
そう! そのパーティーに彼が私を連れて参加したわ!
パーティー会場には、様々な“ペット”を飼っている飼い主達が集まっていた。
彼は私をドレスアップさせて会場に、、、!
『“俺のペットの春音だよ、可愛いだろう?”』
『わーあ! 龍一郎さんのそのペット可愛いわー!』
『オレのタイプ!』
『誰にもやらんがな!』
『さあさあー! 龍一郎様、ご料理が出来ております。』
『春音、シャンパンを飲むか?』
『当り前よ! なんで私がペットなのよ!』
『そう怒るなって!』
『普通! 怒るでしょ、なんで今までこのこと黙ってたの!』
『言いずらかった。』
『そりゃそうよね! これは金持の道楽ですもの!』
『“同感だ!”』
・・・私はこの日、ムカついて飲めないお酒をガブガブ飲んで
酔いつぶれた。
でも、朝起きると? 彼が私に与えてくれた部屋のベットで寝ていた。
彼はそのまま家に帰ったらしい。
なんやかんやと今も、“私は彼のペットを続けている”
金持の息子のくせに、彼は【普通の考え方を持っているから!】
そんな彼に私は少しずつ惹かれているのかもしれない。
“俺のペットの春音だよ、可愛いだろう?” 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru
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