にゃんだこれ!!
シューマ555
猫のわたし いつものあなた?
私は今年から大学の2年生になったどこにでもいる普通の女子大生
だった猫だ。
朝起きたら猫になってるしどこかもわからない路地裏にいた。しかも突然人に持ち上げられたかと思うとその人はここ数年疎遠になっていた私の姉だった。
ただ私の知る姉は厳格で誰にも厳しく。そんそれ以上に自分に厳しく、誰にも弱みを見せない、そんな人だ。
「きゃ〜♪どこからきたの〜?」
そんな人がこんなにも顔を緩めながら私の頭を撫でている目の前の人が本当に私の知る姉なのかわからない。というかこんなに顔が緩んでるのは初めて見る。
「ねぇ!うちに来ない?」
「にゃ?!」
「かわいい〜!!」ギュッ
「にゃーん♪」
「かわいい〜」
こんなにも近くで好きな人の笑顔を見れるなら猫でもいいや。
そんなことを考えているとそのまま眠ってしまった。
そして目が覚めると知らない家のソファの上だった。
「あっ!起きた!よかった〜突然動かなくなるからびっくりしたよ」
そう言いながら頭を撫でてくれるのがたまらなく気持ちいい。すると突然体を待ち上げられる。
「よし!じゃあお風呂行こうか」
「にゃ!?」バタバタ
「こら!暴れないの!一緒に入ろうね〜♪」
「にゃぁぁあ!」バタバタ
やばい、流石に一緒にお風呂は色々まずい気がする、どうしてこんなことに...。
「ふぅーきもちいいねぇ」
「に、にゃー」
そして流されるままにお風呂に入るとシャワー浴びせられ、なぜか湯船に一緒に入っている。しかも抱えられたまま。
「大人しくできてえらいねぇ♪私の妹とは大違いだ。」
「にゃ?」
「私にはねー、少し歳の離れた妹がいるの。
あの子はね、すごく元気で、生意気で、頭もあまり良く無いし、本当に私の妹なのか疑うぐらい何もかもが違うの。」
「に、にゃあ」
突然始まった私の話に戸惑いと同じくらい少し悲しくなってしまう。まさか好きな人からこんな話を聞かされるなんて、まるで拷問だ。
「でもね、そんな妹が私は大好きだったの..」
少し寂しそうにそういう姉が物凄く美しく私の目に映った。
「誰にも優しく、いつも楽しそうで、あの元気な笑顔が私は大好きなの。」
そう涙を目に浮かべながら語る姉。
「にゃ...」
あの姉が私のことを好きと言ってくれた。
こんなにも嬉しいことはない、もし私がいつもの姿ならその涙を拭ってあげるのに。
そう思い、頑張って手を伸ばすもその手は届かない。
その代わりに頬を伝う涙をペロッと舐める。
「慰めてくれるの?ありがとう。実はね君の目があの子に似てたから拾ったの。あんまり気の良い理由ではないかもしれないけど、ごめんね。」
そう言い私のおでこにキスを落とす姉。
私に厳しくしていた姉がここまで愛してくれる。正直このまま、ねこのままでもいいや、そんなことを思い意識を手放す。
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