第47話 先生怒らないから正直に言いなさい①
みあちゃんと翔太くんとのコンタクトが途絶えて頭を悩ませてた頃、きらなちゃんから有益な情報が入った。
情報とは、二人ともあのfpsをやってるってこと。
僕たちみずユイスタンダードがイベントで活躍した「クオンタムシフト」をプレイしているらしい。
フレンド検索するために必要なIDも聞けたから、何も待つことはない。
バッチリ平日の深夜だけど、僕はモニターと向き合ってゲームを起動する。
深と静まる自室に冷却ファンの音が響きなぜか急かされているような気がした。
よし、起動……っと。
怖いのは二人がログインしていないこと。
あとフレンド申請が通ること。
この二つだ。
最悪はゲームもブロックされること。
そうなればイッツオーバー。
だから作戦を考えていた。
普通に考えよう。見ず知らずのアカウントからフレンドになろうって言われても断るのが当たり前だ。
だって知らないし、知らないから。
知らない人について行くなってお母さんに教わるしね。
じゃあどうしたかと言うと……
巨乳女子高生そらたん、ってIDに変えた。
このIDで釣るのは翔太くんだ。今まで知り得た性格上、彼はこういうのが大好物なはず。
対•みあちゃん用にも考えてある。
よし起動したな。効果の程を確認しよう。
まずはフレンド検索で『syo–ta』と入力して……
申請送信っと。
ログイン状態が確認できないのがネックだけどここは勝負どきだから、すぐには退けない。
逐一フレンド欄を確認して見逃さないようにしないとな。
あっ尿意が。
トイレ行くぐらい大丈夫だろ。
尿意に負けた僕はトイレへ直行。
そして用を足して戻ると。
『フレンド申請ありがとう! 良かったら一緒にやらない?』
モニターに映るのは僕のキャラと、横に立つもう一人のキャラ。そしてチャット欄の文字。
キャラの頭上にあるIDは『syo-ta』
これはつまり、申請を受けた翔太くんが僕のパーティーに入ってきたってことだ。
……さすがにチョロすぎないか???
そらたんの力偉大すぎだろ。もちろん架空の人物です。
『よろしくね! 私弱いからキャリー(上手いプレイヤーの活躍でチームが勝利すること、主に強いプレイヤーが弱いプレイヤーを導く時に使われる)してほしい泣』
と、送れば。
『俺強いから余裕で勝っちゃうよw もし勝ったら連絡先教えてよ!』
『きゃーカッコいい! いいよ約束してあげる。写メも必要カナ? 優しい人が好きだから、怖い人はイヤだよ、、、』
と、出会い系アプリで業者が送ってくる文章で応戦すれば。
『俺めっちゃ優しいから大丈夫w モテるし任せろってw』
一連の流れを聞けば確かにモテるようだけど、なんか複雑だな。
忘れるな新。これは相手を釣ってから懐に忍び込んで腹の中を探る作戦なんだ。
男だとバレたらお終いだ。これしか連絡手段がないんだから。
気合い入れてけ。
弱いフリしてチャットに集中すれば大丈夫だろう。
さぁ、しまっていこう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます