無能だからと実家を追いだされ底辺をさまよってる冒険者だったけど、ユニークスキル【魔眼】が覚醒したので無双してみる~え? 歓迎してやるから家に帰って来い? お断わりします~
第8話 スキルの数が多すぎるやつ、大体強い
第8話 スキルの数が多すぎるやつ、大体強い
フレアの店をでた僕はそのまま冒険者ギルドに向かった。少し緊張するな。なんども深呼吸をして気持ちを落ち着かせると、ギルドのドアを開けて中へと入る。
入り口の方はいつも通りだったものの、ギルド内に併設されていた決闘場につくと様子ががらりと変わった。多くの人たちが至る所に群がっている。
その中の一人が僕のことを見つけた。
「偽物のラースが来たぞー!」
「やっと今日の
「待ちくたびれぜ。
「あんま変わんねぇ」
「「「はははは!!!」」」
どんどんと僕の周りに人が集まってくる。みんな僕を慰めてくれるのかなと淡い期待をしたものの、「お前がグレシャムにケンカを売るなんて10年早い」「どこからゴブリンキングの魔石を盗んできたんだ」「骨は拾ってやる」といった言葉しかかけられなかった。
僕がグレシャムに勝てる可能性なんてないだろうと思っているんだろう。まぁ、僕は確かに一年間冒険者をしているのにも関わらず、最底辺の鉄級冒険者だ。
冒険者にはランクがあって、上からオリハルコン、アダマンタイト、ミスリル、プラチナ、金、銀、銅、鉄となっている。
だからグレシャムとは3つもランクが離れているわけだな。もちろん、好きで鉄級冒険者を長くやっているわけじゃない。
僕がまともな攻撃魔法を持っていないことと、
しかし、手下のゴブリンたちを複数引き連れていた場合、討伐推奨ランクは金級となる。つまり、グレシャムと同じ強さの存在を僕は倒しているといえるわけだ。
そこにはグレシャムとその取り巻き、さらにはギルド長が突っ立っていた。
「逃げると思っていたが、来たか」
「もちろん。僕はグレシャムさん――いや、グレシャム、もうあなたのちょっかいを受けるつもりはない」
僕はショートソードを腰から抜きだすと、切っ先をグレシャムに突きつけた。
「ふん。生意気なやつめ。どんなイカサマをしてゴブリンキングの魔石を手に入れたのかは知らねぇが、しばらく歩けなくしてやる」
僕とグレシャムは決闘場の両端へと進んだ。
「両者ともに準備は良いかね? 勝利条件は片方が戦闘不能になるか、降伏したら負けだ。万が一殺してしまった場合はギルドよりペナルティがあるので注意したまえ。それでは決闘始め!」
ギルド長の言葉を合図に、決闘は始まった。
グレシャムは巨大なハンマーを携えて突進してくる。早いな。だが、今すぐに【束縛眼】を使うわけにもいかない。
ここぞという時にグレシャムの動きを止めて一気に形成を逆転させたいからな。そんな彼をまずは鑑定する。
―――――――――――――――――――――――
グレシャム・ベル 18歳 男 人間
Lv45
攻撃288
物理防御190
魔法防御239
保有スキル【ハンマー使いLv4】
保有魔法【筋力増強】【ハンマー術Lv5】【重量軽減Lv3】【命中率向上】【根性】【踏ん張り】【気力増強】【骨折自己治癒】【ゾーン】
称号【熊殺し】【筋肉の王】
―――――――――――――――――――――――
強ええええ!!!! ゴブリンキングよりも基礎ステータスは低いが、スキルのレベルが高いし、なにより保有魔法が多い。おまけに称号も2つある。
―――――――――――――――――――――――
【熊殺し】……凶悪な熊を倒した証。魔法防御が50上昇する。
―――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――
【筋肉の王】……筋肉を鍛え上げた者だけが手に入れられる証。攻撃力が100上昇する。
―――――――――――――――――――――――
両方ともステータスを上昇させるからやっかいだが、これくらいの伸びなら対抗はできそうだ。
そうこうしているうちにグレシャムは僕の前に近づくとハンマーを振り下ろしてきた。やはりハンマーというのは重いのか、そこまで降り下りてくる速度は速くない。
これなら楽にかわせそう――!?
急にグレシャムのハンマーが速くなる。僕は慌てて回避したが、左手の端とハンマーがこすれた。
ガッシャーーーーン!!!!
ハンマーは大きな音を立てながら地面を揺らす。左手の方を見ると、軽く出血していた。今のはかなりやばかったぞ。
グレシャムのスキルを確認する時間はないが、【筋力増強】【ハンマー術Lv5】【重量軽減Lv3】【ゾーン】あたりの魔法を一気に使ったんだろう。
「チッ。仕留め損ねたか。【命中率向上】も使ったはずなんだがな」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます