第39話 奇跡
プレゼントボックスのリボンを解くと、何が出てくるのだろう。
女性は男性からの小さなプレゼントを受け取り、ワクワクとしながらリボンの裾を摘んだ。
「……待って!」
「どうしたの?」
「……ううん、何でもない」
小首を傾げる女性に、男性は落ち着かない様子で首を横に振る。
「変なの」
男性の様子を気にしながらも、女性はリボンを勢い良く解いた。
箱の中から現れたのは青い薔薇の花だった。
氷の島に咲く、幻の青い薔薇──花言葉は『奇跡』。
男性は前世で苦楽を共にした彼女に逢えた奇跡を花で表現したのだ。
女性は何も覚えていなくとも。
ファンタジーな言葉の寄せ集め 300文字以内の掌編小説 ナナミヤ @nanamiya5
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