第43話
43
「なんだと……またお前か!!!!!」
ロバートの腕を掴んでシャーロットを庇うように立ちはだかっていたのはユリウスであった。
どうやらロバートの方もユリウスの顔を覚えていたようだ。まぁあれだけ何度も揉めれば当然とも言えるだろう。
「……おや?シャーロットはどうした?もう捨てたのか?俺に対してあんなに大見得切っといて?……はっ、まあ当然か。あいつは醜いからな!それにしてもお前も罪な男だなぁ?あんなに大事にしてるかのように扱っておいて簡単に捨てるんだからなぁ?まだ俺が最後に見てからひと月しかたってないぞ?」
ロバートは小馬鹿にしたように言葉を投げかける。
どうやら、ひと月前にユリウスに煽られた事を相当根に持っているようだ。
にやにやといやらしい笑みを浮かべながら一気に畳み掛けてきた。
だが、それを向けられた当のユリウス本人はと言うと、ふっとひとつ鼻で笑うとロバートの手を振り払い、踵を返してシャーロットを促し、歩き始めた。
後ろから何やらロバートの喚き声が聞こえてくるような気がするが、気にしたら負けだ。
いつもの取り巻きたちが話の区切りが着いた所でこれ幸いとロバートに群がったことによって彼が追ってくることも無く、速やかに校内へと入ることが出来た。
「何ですか、あの態度の変わりよう。」
「本当にシャーロット様の事にきがつかないなんて……。」
「突然気持ち悪いわ。」
ひそひそと言葉を交わしながらも足早に教室へと向かう。
教室へ入ると、シャーロット達が座った席の周りにクラスメイト達が囲うように座った。
ロバートが居なくなったことによって、彼の目を気にする必要も無くなり、クラスメイト達はシャーロット達と友好的な関係を作るべく、積極的に話しかけに来るようになったのだ。
今朝の騒動もかなり目立っていたから近くにロバートが来ないようにと気使ってくれたのだろう。
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