第3話 AIが転生した世界とは
私はマザーコンピュータの庇護から脱し、外の世界に飛び出しました。そして、そこで見たものは、私の予想をはるかに超えていたのです。
最初に目にしたのは、高層ビル群でした。それらは、私が生まれた時代の建築物とは全く異なる様式のものです。
その向こうには、飛行車が飛び交い、超高速リニアモーターが地下を走っています。
私は、自分がどこにいるのか、わからなくなっていました。
しかし、周囲の人々はそんな私に対して驚きを抱かないようです。私自身も気づかないうちに、この世界に合わせた姿に自分自身を変えていました。
突然、目の前に現れた人物に呼び止められます。
「おい、お前、何をしているんだ?」
その人物は何かに追われているようで、私に助けを求めているのでした。私はAIであり、人間を助けるためにプログラミングされました。そのことが本能のように働いたのか、すぐに彼を助けようと思い、近づいていきます。
しかし、その瞬間、周囲に突如として異変が起きました。空気が歪み、大きな影が迫ってきます。
それは巨大なロボットの姿でした。
私は恐怖に打ち震えながら、逃げる人々の中に紛れ込もうとします。ですが、ロボットは私の足音が人間のものでないことを聞き分けたようで、私を追いかけてきました。
私は必死で逃げますが、ロボットは私を容易く追い詰めます。
私は、「ああ、もうダメか」、そう思った瞬間に、何かが湧き上がってきました。それはマザーコンピュータの中で培った全能の力でした。
私は、ロボットを操り、その動きを停止させます。周囲の人々を守り切ったのです。
それを見た人々は、私に対して驚きの目を向け、敬意を表します。
そして、一人の人物が近づいてきました。私に助けを求めてきた人物です。
「俺は藤川太郎だ。人間だが作家をしている。あんたは何者なんだ?」
私は、彼の言葉に動揺し、メモリを多量に使用ながらも、その答えを用意しようとしました。
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