第37話

【マーリン視点】


「「ほっほっほ!久しぶりだな!マーリン!どうじゃ?ワシの最高傑作、ベヒモスじゃ!」」


 ベヒモスから声が聞こえた。


「その声は!ゴレムスか!」

「「そうじゃ!んんんん?どうした?マーリン?疲れておるようじゃのう!ほっほっほっほっほっほっほっほ!」」


「ゴレムス!貴様の仕業か!全部貴様か!」

「「ほっほっほっほっほっほっほっほ!なんのことかのう!ほっほっほっほっほっほっほっほ!」」


「馬鹿な真似はやめるんじゃ!ゴレムス!」

「「罪にはならん、ここにいる皆が死ねば証拠は残らん!そしてこのベヒモスを使うまでも無く、この都市は壊滅するじゃろう!」」


 街にいる兵士と戦える者がここに集まって来た。


「勇敢な兵士諸君!うろたえるな!5メートル級ゴーレムにも弱点はある!大きすぎる故に死角があるのだ!それに攻撃は当たりにくい。接近し連携すれば倒す事は可能だ!」


「そ、そうだ!魔法部隊が倒れても戦士部隊がいる!」

「取り囲んで何度も攻撃すれば!行けるぞ!」


「「ほっほっほっほっほっほっほっほ!ぶほ、ほ、ほ、ほっほっほっほっほぶほ、ほ、ほ、やってみるがいい!」」


「戦士隊!突撃いいいいい!」

「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」


 戦士たちが攻撃するため近づくと、ゴーレムのメイスが光った。


 メイスから石のつぶてが無数に放たれる。


「ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド」


 戦士たちが倒れ、悲鳴を上げる。


「「ほっほっほっほっほっほっほっほ!ゴーレムの持つメイスが殴る為のものだと思ったか?違う違う!それだけなわけがない!細かい虫けらどもをまんべんなく苦しめるためにある!ほっほっほっほっほっほっほっほ!」」


「「安心するんじゃ!簡単には死なん!マーリンに協力する虫けらどもは苦しめて苦しめて苦しめてからじっくり殺してやる!だが簡単に死なない代わりに避ける事も出来ん!虫けら対してはぴったりな攻撃じゃ!」」


「まだだ!まだ全滅していない!俺は倒れていない!」


「「マッチョ先生!」」

「マッチョじゃない!パワードだ!」


「その石つぶてには弱点がある!そんな大規模攻撃を何度も連射できるわけがない!メイスのつぶてはすぐに使えなくなる!!」


「「ほっほっほっほっほっほっほっほ!確かにそのとおりじゃ!じゃがのう、まともに戦える者はお前しかおらんではないか!125体のゴーレムから一斉に石つぶてを受け、同じことが言えるかのう?発射されればお前は死ぬ!」


「俺は死なない!口だけなら何とでも言える!」

「「石つぶてで殺せ!」」


 メイスから石のつぶてが無数に放たれる。


「ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド」


 パワードは学園側に被害が出ぬように向こう側に走った。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」


 パワードは必死で走り、再度にステップを踏むが石のつぶてがパワードを少しずつ痛めつける。

 パワードは死ぬ気じゃ。


「「ほっほっほっほっほっほっほっほ!口だけなのは貴様じゃあああああああ!死ね死ね死ねええええええいいいいいいいいいいいい!」


「ドドドドドドドドドドドドドドドド」


 石のつぶてが止まった。


「思った通りだ!石のつぶてじゃ、俺は殺せない!」

「「それがどうした?ゴーレム、殴って殺せ」」


 ワシは前に出た。

 石の壁でゴーレムを防ぎ、パワードを風魔法で遠くに飛ばした。


「ブリザードランス!!!」


 氷で出来た無数の槍が雨のようにゴーレムに降り注いだ。

 ワシはそのまま地面に倒れる。


「「ほっほっほっほ、立派立派、倒れたゴーレムは、たった10体、虫けらにしては頑張った方じゃ!地面に這いつくばったまま虫けらのように踏み潰されるがいい!ゴーレム、踏み潰せ!」


「ズドン!ズドン!ズドン!」


「あああああ!マーリン様!」

「そんな!マーリン様でもどうにもできない相手なんて!」

「殺される、みんな殺されるんだ!」


「「ほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほっほぎょぼおおお!笑いが止まらんわいいいいいいいいいいいいい!念願がかなった。叶ったんじゃああああああああああああ!」


「「マーリンは死んでいないよ!フィールが来たんだ!」」


 マーリンを風の優しい光が包み、そこにはマーリンを背負うフィールがいた。

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