第28話
「フィール君、初級ダンジョンと中級ダンジョンに入る際は許可を取ってくださいね」
学園の教室で教師に言われた。
「理由は分かりますね?」
「乱獲しすぎたから皆の迷惑になっている、ですか?」
「はいそうです。毎日毎日中級ダンジョンに入って、中級ダンジョンに魔物がいなくなってくると初級ダンジョンの魔物を狩り尽くしています。それを何カ月もやられると困ります」
「でも、今はお金が必要です」
「事情は知っています。なので上級ダンジョンに入って大丈夫です。そっちに行ってください」
ゲームでは学園生活を1年経過した後に解放される上級ダンジョンが解放された。
ある意味いい事なのかもしれない。
ダンジョンはそこそこの訓練効果がありながら多くの金が手に入る。
俺のステータスは上昇した。
フィール・バイブレーション
体力レベル 1000(+571)
魔力レベル 615(+210)
速力レベル 606(+163)
生産レベル 10
知力レベル 378(+10)
魅力レベル 1000(+156)
スキル
『☆秀才』『☆風魔法の才能』『☆イケメン』『☆妖精契約・チンカウバイン』『剣術:中級』『炎魔法:下級』『水・氷魔法:下級』『風魔法:上級』『土魔法:下級』『聖魔法:下級』『闇魔法:下級』『生産魔法:下級』
内政力
爵位:男爵家の息子
兵力レベル:無し
収入レベル:無し
領地レベル:無し
恋愛ポイントを使って体力をカンストさせた。
魅力は勝手にカンストした。
体力がカンストした事で疲れ知らずになりダンジョンで長い間休まず魔物狩りが出来た。
その事で訓練効率と収入は上がった。
チンカウバインの恋愛相談も予約を消化しつつある。
次は風魔法の特級を覚えよう。
アイラは初級の錬金術を覚え、次は中級を目指している。
リンカはダッシュと筋トレ訓練をしつつ友人とパーティーを組んでダンジョンの魔石やドロップ品を集めて利益を上げている。
リンカとは1回中級ダンジョンに入った後、パーティーを組んでいない。
常にソロだ。
一気にラストスパートをかける。
今まで親には頼らずリンカの借金を返し続け5憶を超えた。
そこから1回も返済していない。
残りの借金10憶は一気に入金して豚伯爵の予想を超える予定だ。
教師の話が終わると走って上級ダンジョンに向かった。
フィールが教室を出ると、クラスのみんながフィールの話題で盛り上がる。
「あいつ、化け物だよな」
「だな。頑張ればだれでも強くなれるけど、皆が本当の意味で頑張ることは出来ない。あいつは天才なんだともう」
「俺もそう思う。それにあいつ、訓練していて苦しいはずなのに楽しそうなんだよな」
「前に何で楽しそうにしているか聞いたら、能力値が上がるのが嬉しいらしい」
「フィール君は変わってるよね」
「変わっている。普通は将来の成長より、今の楽を取る。それが人間だ。特に苦しい訓練となれば強制訓練をとかしないと人は努力しない」
「今の楽をせず、リンカフレイフィールドさんを助ける為にダンジョンに毎日毎日通っている。凄いと思うよ。俺には無理だ」
「だからモテるのね」
「ああ、でも、あそこまでしないとモテないんなら、俺はモテなくていいや」
「フィールはモテる為にやってない……そこがまたモテるんだろうな」
「あ~、楽してモテたい」
「分かるわー」
クラスメートがこうして話をしている間にもフィールはダンジョンに通い続けた。
上級ダンジョンの魔物を倒す事で更に資金が貯まった。
【フィール視点】
俺はギルドに向かった。
「10憶を一括で送金してください」
「学園生なのに魔物狩りだけでここまで働く子を始めて見ましたよ」
「そうですかね。でも、充実していましたよ」
リンカを救った。
誰かに拍手されているわけでもなく、淡々とした達成だった。
でも俺は、充実している。
無事借金を返した。
だがこれにより豚伯爵は激怒し、波乱を巻き起こす。
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