第10話
【ボッズ・ウインドソード視点】
部屋に4人の部下を集めた。
「報告しろ」
「アイラの父はまだ病気が治っていません。薬を買い占めた効果が出ているようです」
「次」
「アイラはフィールが学園内を走る度に目で追っています。放課後になるとフィールと話をしているようです」
「ち、フィールめ、私の女と話をするなど、死刑に値する。次」
「アイラ以外の女は順調に借金や脅しにより落とせる見込みです。ですが、ファイン・フリーダムが姫騎士や教師と協力しながらボッズ様を嗅ぎまわっているようです」
「邪魔だな。マーリンの監視だけではなくファインまで動いているのか」
「そうなります。更に馬車の手配をしていたことも分かりました。聖女を使ってアイラの父を癒すつもりなのかもしれません」
学園長のマーリンは霧の分身体を操作して私や俺の部下への監視を厳しくしている。
学園内で事を起こすのはまずい。
更にファインが私の周辺を探っている。
学園の中で事を起こせばマーリンに見つかる可能性がある。
だが、学園の外ならば、馬車を破壊しても、いや、あわよくばファインを殺す事も出来る。
ファインとパーティーを組んでいる女は犯し尽くした後森に埋めればいい。
「最後にフィールはどうなっている?」
「毎日訓練を続けているようです」
「ふ、私に勝てるとでも思っているのか?愚か者が」
「ボッズ様に勝てるものはそう多くありません」
「うむ、今動くべきは、ファインだ。馬車をすべて借りる。失敗した場合は学園から出た後に強襲を仕掛けろ!」
「しかし、姫騎士が一緒となると、恐らく護衛が付くでしょう」
「奇襲が無理なら馬を潰すだけでもいい!言い訳をする前にすぐに動け!まずは馬車を押さえろ!」
まったく、臨機応変と言う言葉を知らんのか!
無能どもが!
「はい!すぐに用意をします!」
4人が部屋を出た。
アイラは夏休みまで待つ必要も無いだろう。
家族を人質に取られればアイラは体を差し出す。
学園に入学してから2年は訓練を続けてきた。
そのおかげで今まで教師からターゲットにされてはいない。
残り1年で目星をつけた女を落とす準備だけは進めてきた。
親を殺し伯爵の地位は手に入れた。
この学園でやる事は2つだ。
・女を手に入れる事
・優秀な成績で卒業する事
優秀な成績はすでに残している。
風魔法の上級は覚えた。
もう学ぶことは何もない。
となれば学園を卒業するのを待てばいい。
残るは女だ。
目星のつけた女はすべて手にれる。
特にアイラだけは絶対に私の物にする。
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