<改めて>私は失いなどしない ただ得るだけだ

私は

決して

失ったりなどしないのだ

たとえ

泣いたりしても

悲しくて

震えても

つらくて

ときに

生きていることに

絶望したとしても

そのとき

きっと

心が痛くて痛くて

涙流して

自分の境遇や立場

生まれ育った環境

とにかくありとあらゆる全てを

憎み恨むだろう

なぜ

こんなところに

こんなふうに

こんな状態で

生まれたのか

隣の芝生は青いどころか

私には芝生どころか庭さえもない

なぜ

こんなふうに

生まれたときから決まっているのに

生まれてくるのか

もう絶滅するために死んで行くしかない種類の人間なのに

そう

人間なんて

一括りにしているけれど

種類がそれぞれ違うのだ

鳥だって

種類が違えば

進化して残っていく鳥

環境などに馴染めず絶滅する鳥

自然界の中には保護されるものもいるだろう

しかし

人間は

残るべきものが残り

絶えるべきものが絶えていくのだ

絶えていくだけだ

私はきっと

たえるだろう

そう

耐えるのだ

私はきっと耐えられるのだ

今のこの環境を

今のこの境遇を

そして

これからの未来への

この凸凹したままま

乾き切って

きれいに舗装されないまま

固まってしまった

くそ悪路でも

必ず

耐えて

耐え抜いてみせる

そして

その

乾き切った道には

私のこの

流しに流した涙の水で

潤わせて

草木は青青と育ち

花々は咲き乱れ

木々は脈々と生い茂り

鳥たちは大きく羽ばたき

ときに囀り

生物は命満ち溢れ

無生物さえも私に感謝しひざまづくのだ

いえ

どうぞ

頭を上げろ

誰にも畏づくのではない

この地球という星のもとで

誰が何が主人公だと

誰が何が決めたのだ

生きとし生けるもの

この世に存在するものしないもの

その価値を誰がなんと決めたとて

それになんの意味があるのだ

なんだ失礼あなたは神だったのか

この世界を

この地球を

あなたが

お前が

創ったとでもいうつもりなのか

思いあがるな

笑わすな

いくらこの先

未来永劫

絶やさずその種を生まれさせ続けたとしても

お前という者

あなたという人

それが

この世からいなくなったとき

それで

あなた

お前は

終わっているのだ

その先を見続けられる

永遠の命を手にいれたいのか?

バカなこと言うなよ

それは

不憫なことだ

だって

そうじゃないか

未来永劫だなんて

お前

あなたには

一生ゴールは来ないのだ

ゴール地点での達成感

頑張って頑張って頑張って

やっと辿り着いた

あの

達成感を

手に入れられず

一生

頑張り続けているだけの人生

そんなものに

耐えるのか

そんな人生なら

私は絶える

そして

私は

最後に

「よく最後まで生き抜いた」

「よく耐え抜いたな」

自分で自分を讃える喜び

その喜びを

得る

のだ

そう

その喜び

その幸せな瞬間を

得るだけ




脳心

いや

ホオジロかな?



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