たー君と私

るる

第1話 喧嘩した時の朝ごはん

また喧嘩して泣いて泣いて朝になった。

たー君の怒った背中は少し遠くに感じる。

いつもの朝ごはんの時間になっても

たー君は起きてこない。


「ねーえー。朝ごはん出来たよ。一緒に食べようよー。」


たー君はだるそうに起きてきた。


「今日食欲ない。朝ごはん食べないから。ごめん。」


私は自分のご飯をゆっくり食べた。たー君のご飯も食べた。一緒に食べたかったのに、たったあんなことで怒るなんて、ひどいよ。

私は涙が出てきたことを知られたくなくて、隠れて泣いた。


たー君が起きてきて、たー君は仕事に行った。

私達が喧嘩してた理由は、私が、たー君に買った服をたー君が喜んでくれなくて、それで、私が、たー君の態度に怒ったら、喧嘩になったんだ。


そんな些細な事で喧嘩してしまう私達。


出会いは私の妹の紹介で知り合い、デートを重ねて、おつき合いするようになったのだった。

最初は、たー君の事どこがいいかわからなかったけど、デートを重ねてたらいつのまにか、たー君の事が好きになった。告白は私の方からした。たー君は少し驚いていたけど、よろしくお願いしますって言ってくれて、嬉しかったのを覚えている。


私の仕事はイラストレーターをしている。小さい頃から絵を描くのが好きだったので、将来は絵を描く仕事に就きたかったのだ。

運良く美大に通えたので、大学に通いながら、イラストを描いてネットで売っていて、たまたま声をかけてくれたイラストレーターの方が、うちで一緒に働かない?と言うので今は一緒に仕事をしている。


たー君はとあるアパレル会社の社長をしていて、たびたび出張に出かける。たー君は背が高く、顔立ちもいいので、良く出張先で女性に話しかけられているみたいだ。私はその事が本当に気に食わないので、女性に声をかけられても無視してと言っているのだが、言うことを聞いてくれない。なので、急に好きな人が出来たとかなってもおかしくないので、いつもヒヤヒヤしている。


私の仕事の時間は昼間から夕方までで、たー君の仕事の時間は朝から夜までで、朝ごはんはいつも一緒に食べるけど、昼はお弁当を作って持たせているし、夜は遅くなるけど、夜ご飯を作って、たー君の帰りを待っている。


そんな生活を続けて早6年。

結婚も考えているが、お互いタイミングが合わなくて、ずっと結婚話はしていない。特に、たー君が仕事の出張で遠出するので、それに耐えれるかどうかも問題だ。たー君に結婚したいって言っても、今は仕事が忙しいと言うばかりだった。

このまま結婚しないで、時間だけ経つのかと思うと、気が遠くなる。他にいい人を探しても良いのだが、なんかやっぱり、たー君が好きだ。


たー君の事、毎日考えてるよって、たー君に伝えても、そっか、しか言わない。だから、少し冷たいなってたまに思う。それでも、たー君が好きなことは変わらない。


時計を見ると午後6時を過ぎていたので、私は夜ご飯の準備に取りかかった。

今日はハンバーグとコーンスープ。

昨日買い物を済ませていたので、もう今日は、出かけなくてもいい。

ハンバーグは、たー君の大好物なのだ。

たー君の大好物は色々あるけど、そのなかでも1番好きなのがハンバーグなのだ。

ハンバーグが大好きなんて、子供っぽくて、可愛いなって、いつも思う。でも口には出さない。子供っぽいと言ったら絶対怒るからだ。

そんなこんなでハンバーグとコーンスープを作り終わって、一息つく。

大好きなホットミルクティーを飲んで、たー君の帰りを待つ。


午後9時半過ぎ。ドアが開く音がした。

たー君!嬉しくて思わず叫んでしまった。

「ただいま。もう夜ご飯食べた?」

たー君のカバンを受け取って、部屋に置く。

「まだ食べてないよ。今日はね。たー君の大好きなハンバーグだよ」

「わあ、嬉しいな。ありがとう。すぐ食べよう。」

私は、たー君が喜んでくれてとても嬉しくって少し目がうるうるした。

「うん!早く食べようね」


たー君が着替えて、一緒に夜ご飯を食べ始めた。

夜ご飯を食べる時は基本話をあまりしない。仕事で疲れているのもあるし、食べていることに集中しているからだ。


夜ご飯を食べ終わって、お風呂に一緒に入った。久しぶりに一緒に入ったので、ドキドキしたけど、嬉しかった。


夜寝る時、いつも同じベッドで寝ている。

今日はもう午後11時を過ぎていたので、早めに寝た。


明日は朝ごはん一緒に食べれますように。

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