申し分ないステータスで転生したのでまったりスローライフします
神在月
第1話 異世界、ですか・・・
私の名前は
「午後8時・・・9時には終わるかしらね?」
社畜です・・・こんな企業だと分かってたら入らなかったのだけど、給料の良さに釣られた自分が憎いっ!
私は昔からこうだ。不憫というか、ついてないというか、二択は基本的に外すし限定商品は目の前で売り切れ、大学で取る講義は単位取りづらい科目ばっかり・・・
「どうにかならないかなぁ・・・この不運」
カタカタカタカタターン!
「よしっ!これで終わり!うーーんっ、疲れたぁ・・・」
帰ったら・・・大人しく寝ますか。
私は会社からトボトボと家路に着く。すると大きな声で呼び止められる。
「アンタ!何やってんだ!?」
その言葉に私はハッと上を向く。するとそこに映る信号は赤色を示していた。
あー、赤色だなぁ・・・やっちゃったなー。
その瞬間、私の体は宙に浮いていた。そして次の瞬間に私は・・・
・・・・・・
「おや、お目覚めになりましたか?」
・・・知らない空間にいた。誰だ?というかどこだここ?
「ここは神の間です。わたくし、女神ルノアのための空間です」
神?何言ってんだこの人、おかしい人か?てか私今何も喋って無かったような?
「アナタ、わたくしを疑ってますわね?でしたら、エイッ♪」
その瞬間、私の背がグングンと縮み、あっという間に・・・
「ニャー!?(猫っ!?)」
「どうですか?これで分かって頂きました?」
「ニャニャニャニャニャンニャ(戻してください)」
「あらあら、疑ったのはアナタですよ?ちゃんと理解していただけてます?それとも次はカマドウマにでもなりますか?」
発言が神話の神のそれだっ!!?
「分かって、頂きましたか?」
「ニャニャッニャ!ニャニャッニャニャニャ!(分かった!分かったから!)」
「反省したみたいですね、それなら・・・エイッ♪」
次の瞬間、私は再び人の姿になっていた。おかえりマイボディー!
私は女神様?の方を向いて、現状を尋ねる。
「えっと、それで女神様。一体全体どうなってるんですか?」
「アナタ、朝陽瑠璃歌はあの日の帰り道、車に跳ねられ死んでしまいました♪」
すっごい気軽にすっごい重いこと言うじゃん。私は一応程度に聞き返す。
「死んだって、ご覧の通り私は生きてますけど」
すると女神様は目を輝かせて言った。
「おーっ!よくある質問の1つ目みたいな質問をしてくれるんですね!最近は異世界モノ?とか何とかのせいで飲み込みが早い人が多くて」
何で残念そうなんだ・・・
「おっ♪ちょうど地球ではアナタの葬式が行われてるみたいですよ」
そう言って女神様は水晶を覗き込む。それの後を追うように私も水晶を覗く。すると、
「あっ、ほんとに私の葬式だ・・・でも遺体がなくないですか?」
「画像、ありますよ?ご覧になりますか?」
「えっ、いやえっと・・・」
なんだか凄く嫌な予感がする・・・
「まあまあ、嫌がらずに♪ほらっこれですよ」
「ちょっ!?あっ、あぁ・・・」
グッチャグチャだ!予想通りグッチャグチャだよ!そら他人には見せれませんよね!
私は少しグロッキーになって女神様に伝える。
「もういいです。自分の体ながら、見たくないです」
「あら、そう・・・」
だから何っで残念そうなんだ・・・!?
てか、改めて葬式見て思ったけど私友達すっくないなー・・・1人かぁ、悲しいなぁ。
「にしてもアナタ、友達すっくなかったんですね♪」
慈悲が無いっ!?神なのに慈悲が無いっ!?
「そんなアナタのための素晴らしい案があるんですがどうされます?」
急に保険の広告みたいなこと言い出してきたな・・・
「どうするって、とりあえず中身聞いてみないと何とも・・・」
私がそう言うと女神様は声高らかに言った。
「ズバリ!アナタに提案するのは転生です!」
私は女神様の発表に思わずポカンとしてしまった。
「あら?お気に召しませんでしたか?」
「いや、転生っていきなり言われても感覚湧かないんですけど・・・」
すると女神様はうんうんと頷き話し始める。
「要は新たな肉体を得て地球では無い世界で新たにセカンドライフを送るって事です♪」
「いや、それは分かるんですけど・・・何で私が?」
「え?だって、アナタの人生があまりにも不憫だったんですもの」
神様公認で不憫だったー!!そりゃ色々とついてないですよねー!!
「で、どうなさいますか?転生しますか?」
転生かぁ、普通に気になるな、ここは乗っかってみよう!
「分かりました、してみます」
「そうですか、ならコチラに来てください」
・・・・・・
「ではまずコチラに名前の方お願いします」
「あっ、はい・・・」
うわー、異世界転生ってこんな事務的な感じなんだ、なんか萎えるなぁ・・・
私はそう思いながら書類に名前を書く。私が、書き終えると女神様が話を進める。
「それでは、どんな世界がいいとかそういう要望はございますか?」
「要望、ですか?」
「そうです、例えば魔法があるとか、戦闘に赴けるとか、そんな感じのやつです♪要望は幾つあってもいいですが、全部叶えれるかは分かりません」
なるほど、だったら・・・
「魔法が使えてほのぼのしてるところがいいですかね」
「なるほど、それならございますよ。それで決定しちゃいますね」
「あっ、お願いします」
すると女神様はもう一枚紙を私に差し出す。
「次にステータスですが・・・全部マックスでいいでしょう」
「ちょっと待って下さい」
私はそう言って女神の肩を掴む。
「何ですか、何かご不満があるんですか?」
「ありますよ!ありまくりですよ!?私、まったりと生活したいんです!全部マックスだと軍とかに目をつけられるんじゃないですか!?」
「つけられますねぇ・・・」
つけられますねぇ・・・じゃないが!?私は興奮を抑えて伝える。
「私、まったりと暮らしたいのでステータスはそこそこあればいいですから」
「そう、残念・・・」
とうとう自分で残念って言ったよ・・・
「では、ステータスは上位70%前後で作っておきますね」
それでも高いけど・・・まあいいでしょ。
「はいっ!それではこれにて準備完了です!あとは、この穴に飛び込めば転生完了ですね」
そう言って女神様が指した穴は極彩色だった。
「えっ、これに飛び込むんですか?」
「はいっ!それじゃあ行ってらっしゃい♪」
ドンっ
えっ、ドンっ?あれ?穴が近付いてくるんですけど・・・もしかして、してやられちゃったか?私。
「あっ、言い忘れてましたが、転生先であなたは10歳くらいなので頑張って下さいね♪」
えっ!?それは・・・
「それは早く言ってよーーーーー・・・」
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