今日は何もする気になれなかった。彼女からもらったブレスレットをカメラにかざして画像検索したところ、とある新興宗教がひっかかった。まさかと思いwebサイトを開くとそこには笑みを浮かべた老夫婦や若い男女が映った写真が数枚と、宗教の内容が書かれていた。しかし決して宗教とは謳わず、あくまで「社会問題に取り組む団体」というスタンスだったが、伊達に宗教の授業を受けてきたわけではない。これは間違いなく新興宗教だ。彼女がこれに関与していたと思うと胸が苦しくなった。僕は今まで何を信じてきたんだ。何を好きでいたのか。わからない。だが、この事実を知ってもなお彼女のことを忘れられない自分がいた。彼女に騙されたとも言える状況下でまだ好きでいる僕自身も気味が悪かった。しかしあの夜の高揚感、彼女との盛り上がった会話。その全てが昨日のことの様に新鮮に思い出せた。

僕は一体、何を取るべきなのだろうか。