席が隣になった男子に話しかけられた。「俺は山村。突然だけどさ。最近お前変わったよな。なんというか、すごく明るくなった感じ？俺はいいと思うぜ、そう言う変化。よかったら仲良くしてくれよ」とまあ、こんな感じだっただろうか。随分と馴れ馴れしいやつだなとは思ったが、最近の僕は彼の言う通り前の僕ではない。彼と少し話をすることにした。惚れ込んでいる彼女の話をしてみたところ、最初は楽しそうだった表情がだんだんと険しくなっていった。「お前それ、騙されてるよ」。嗚呼、やはり彼もそう言うのか。彼女のどこに騙している要素があると言うんだ。そう反論すると彼は呆れたように僕の元を去っていった。僕も彼のような友人は必要ないためそれでよかったのだが、彼女を悪く言ったことは謝ってほしかった。あんなにも素敵な彼女だから、話をするだけでも嫉妬されてしまうのか。ますます彼女は罪な女性だなと思った。