6月10日(金)

やはり僕は合コンのような空気感には馴染めなかったようだ。雰囲気を壊さないようにと普段飲まない酒を無理やり流し込んだせいで吐き気が今でも残っている。胃のむかつきを抑えつつこの日記を書いている。

彼・彼女らは社会意識への関心が強いという印象を受けた。口を開けば「現在の政治は〜」「今の育休制度は〜」などと社会問題の話題がぽんぽんと飛び交う。僕は受験期に学んだ知識をフル動員させて何とか取り繕ったものの、彼らの目に僕の知識の脆さは一目瞭然だっただろう。

僕のどこが気に入ったのか、一人の女子が連絡先の交換を求めてきた。今までそのような経験がなく浮ついた僕はあっさりと交換した。


何かがカチッと動いたような、そんな音が聞こえた気がした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る