2023/02/25 風の強い日おめでとう

 『おめでとう』じゃあないんですよ。




 えらく風が吹いていたが、何の酔狂か、公園に遊びに行っていた。

 5歳息子の要望である。


 風が強い日、というと某プーさんのハニーハントを連想してしまうのだが(某の意味)

 件のアトラクションは大好きだけれども、それを連想して微笑ましく感じる余裕はない。

 それどころではないのだ。


 なにしろ風が強くて息ができない。勿論、風が吹く方から背を向ければいいのだが、寒いのはどうにも抗えないし、常に動き続ける子どもを追いかけていると防御もままならない。

 あと公園ゆえに砂埃が襲ってくるので地味に痛い。

 脳内ではプーさんが遥か彼方に飛ばされていた。


 風に吹かれた木々はごうごう言っていて、完全に不吉なことが起こる前触れみたいな空模様だ。ラスボスが登場しそうな雰囲気をかもしだしているが、登場しているのはボスではなく強風をものともしないキッズである。

 子供は風の子とはいえ何で君そんな元気なの。


 しかし流石にこんな日は人が少なく、いつもは家族連れや子供たちで賑わう公園は、2、3組ほどしかおらず、ほぼ貸切状態である。

 それもあってか、息子は大変に活きが良かった。

 一方の2歳児娘は、最初こそ楽しく遊んでいたものの、しばらくして「寒い」と抱っこから離れなくなってしまった。

 そりゃそうだよね。分かるよ。私も君たちの希望がなければ秒で帰りたいよ。


 しかし寒がりはしつつも、娘さんは頑なに「帰らない」と主張している。

 難しいお年頃である。


 結局、1時間ほどで切り上げ、子供たちはアイスを食べつつ帰宅した。


 アイス。

 アイス……!?

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