「100番目の願い」<第6回>
小椋夏己
第1話
もしも願いが叶うのなら、1番目の願いは会えなくなってしまった人に会いたい
「ねえ、これ覚えてる?」
そんな些細なことをふと聞きたくなる時、ああ、もう聞けないのだと苦しくなる
そんな小さなことをまた一緒に積み重ねていきたいから
もしも願いが叶うのなら、2番目の願いは強く元気な体になりたい
どれだけお金があろうとも、健康でなければそれを使う
体力さえあれば、大抵のことはクリアできる
そもそもお金がなくなる原因の何割かは健康じゃなくなるからでしょう
もしも願いが叶うのなら、3番目の願いはなんでもいい、何かの才能がほしい
世界一にならなくていい、日本一にならなくてもいい
ただ、自分にはこんなことができるのだと、
自分に自信を持てる何かを一つだけほしい
もしも願いが叶うなら、4番目の願いは……
もしも願いが叶うなら、5番目の願いは……
6番目、7番目、8番目、9番目、10番目……
どんどんどんどん数えていって、100番目の願い
ねえ、それって、本当に願いなの?
もう半分意地になってない?
人の願いって、本当の願いって、果たして一体何番目までなの?
それが知りたいなと思うのが、もしかしたら100番目の願いかも知れない
「100番目の願い」<第6回> 小椋夏己 @oguranatuki
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