再会

母も、魔界に呼ぶことにした。


魔王がそう告げた時、

ボクは、嬉しかった。


ボクが魔王を継ぐと決めたことで、

母を魔界に呼べるのだと、

そんな交換条件みたいなことは、知らなかったけどね。


魔界にやってきた母が、

魔王の姿を見付けるなり、嬉々ききとして。

魔王もけ出して。

二人が抱擁ほうようわす姿を見て、

ボクは、

何て親孝行な息子なのだろうって、思ったほどさ。

父のことは、つい最近知ったばかりなんだけどね。


もちろん、

母は、ボクにも熱い抱擁をくれたよ。

そして、

「ありがとう」って、つぶやいていた。


「+++に会わせてくれて、ありがとう」って、意味だとボクが知るのは、

もう少し先のことなんだ。

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