第104話 テツと菜々子のアフターストーリー1

 ——ピッピピ。


 目覚まし時計の音で目が覚めた僕は、鳴り続けるアラームを止めた。


 目を開け、隣にいる菜々子ちゃんを見ると、こちらを向いてスヤスヤと眠っている。可愛い寝顔。永遠に見続けることができる。


 僕は菜々子ちゃんの頬をそっと触る。彼女の頬は柔らかい。僕は菜々子ちゃん顔に自分の顔をゆっくりと近づけキスをした。離れると菜々子ちゃんの瞳が開いて僕を見つめる。


「えへへ。テツさんのえっち」


「起きてたの?」


「はい。目覚ましのアラームで起きてましたよ」


「そっか。菜々子ちゃんの寝顔が可愛すぎるから、チューしたくなったんだよ」


「今日はお仕事だから、チューだけで我慢して下さいね。遅刻しちゃいます」


「うん。分かった」


「あの、テツさん……もう一回お願いします」


 そう言って菜々子ちゃんは目を閉じ、キスをしやすくするために頭の位置を変える。僕は菜々子ちゃんの唇に自分の唇を重ねた。


「……じゃあ、起きよっか」


「はい」


 僕と菜々子ちゃんはベッドから降りて、朝の身支度をする。


 それから朝食を済ませて、並んで椅子に座りコーヒーを飲みながら雑談タイム。


「菜々子ちゃん、再来週くらいの休みの日は一泊温泉に行かない? 最近お互い忙しいかったからリフレッシュにどうかな?」


「いいですね、行きます。美容室の開店の目処も立ちましたから大丈夫です」


「じゃあ決まりだね。近場で探して予約するね」


「はい。お願いします。テツさん、そろそろ出ましょ、時間ですよ」


 菜々子ちゃんの言葉を聞いた僕は壁時計を見た。


「あ、もうこんな時間か。時間が経つのは早いなぁ……」


「あ〜、テツさん、私と離れるのがそんなに寂しいんですか〜」


「うん、めっちゃ寂しい、めっちゃ寂しい、めっちゃ寂しい」


「えへへ、嬉しいな。私も離れるのは寂しいです。テツさん、大好き」


 菜々子ちゃんは僕をぎゅ〜と抱きしめる。


「テツさん、今日も一日頑張りましょうね」


 菜々子ちゃんが僕の腕の中でささやく。そして僕を抱きしめるのをやめて、瞳を閉じた。


 僕は再び菜々子ちゃんにキスをした。永久に続けていたい。だけど仕事へ行く時間だ。名残惜しいけど、僕はキスをやめた。


 それから朝食の後片付けをして二人一緒に部屋を出た。

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