第558話 2024/08/30 ㈮ うーむ

昨夜は驚くほどぐっすり眠れた。やはり、カラダファクトリーの施術が効いているのだろう。だが、朝六時に目がバッチリと覚めてしまい、早くもイライラが募る。朝の静寂を楽しむ余裕などなく、私は紅茶を一杯飲んでみたり、少量のワインで気を紛らわせたりした。それでも落ち着かない気分のまま、八時には家を出た。


駅に着くと、喫茶店でのコーヒーを考えたが、毎日そんな贅沢はできない。自販機でコーヒー牛乳を買い、少しでも気を和らげようとした。電車がトラブルを起こしており、予想以上に混雑していて、まるで朝の山手線にでも乗っているかのようだった。仕方なく、周囲の人々の間に身を縮めながら、九時に会社に到着した。


会社に入ると、マネージャーが一人で仕事をしていた。挨拶を交わし、私はPCの接続など仕事の準備を進めた。スマホを手に取り、しばしの休息を取る。だが、九時半頃になると急にお腹が空いてきた。隣のコンビニに行き、卵パンを一つ購入。会社の円卓に戻って食べ始めると、リーダーが出社してきた。軽く雑談をしていると、同僚の女性も合流した。


彼女のペンダントに目が止まる。素敵なペンダントですねと言おうとしたとき、「飼っていたハムスターの遺骨が入っているんです」と以前教えてくれたことを思い出し、改めて彼女の優しさに感動する。今では、リングにも遺骨を入れることができるとも言っていた。彼女の言葉を聞いて、心が少し温かくなった。


その後、仕事が始まる。腰の痛みと闘いながら、黙々と作業を続ける。休憩に入ると、スマホには大量の買い物リストが送られていた。二時までに宅配に出さなくてはならない。急いで社長とマネージャーに挨拶をして、昼で退社することにした。


帰ろうとしたところ、ビルの管理人さんに声をかけられる。時計を掛けるためのビスを壁に開けてほしいとのことだ。私は彼女を手伝うことにした。こういう時にだけ、自分の背の高さが役立つと感じる。管理人さんの部屋には小さなキッチン、冷蔵庫、畳の部屋にテレビまであり、生活の一端が垣間見えた。


その後、少しだけアクセサリー屋に立ち寄り、時間をつぶす。そして、讃岐のぶっかけうどんを食べに行った。このうどんがたまらなく好きで、食べると元気が出る。速攻で食べ終え、駅のデパートで買い物を済ませた後、動物病院へ向かう。療養食と抗生剤を購入し、ようやく帰宅する。


帰宅後はシャワーを浴びる。母親の体調が悪い。今晩はそうめんだけを食べると言う。今までこんなことはなかった。食欲だけは、あったから。マジ、ヤバいかもしれん。これからは、昼食をつくって欲しいと言われた。だから、会社は一コマだけやって退所する予定になった。


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る