第547話 2024/08/20 ㈫ 揺れる夢と現実の狭間で
朝三時起床。眠気を追い払うために、私は冷蔵庫からスパゲティを取り出し、無意識のうちにそれを平らげた。その後、再び眠りに就こうと睡眠薬を飲んだが、瞼は重くなることなく、心の中の不安が私を眠らせなかった。
今日は受診日だった。重い眠気に体が耐えられず、私はタクシーを呼んで病院へ向かった。タクシー代は3,100円もかかってしまったが、背に腹は代えられない。病院に着くと、いつものように優しい笑顔で迎えてくれる先生がいた。私は睡眠薬の効果が薄いことを伝え、先生と相談した結果、新しい薬を試すことになった。
しかし、診察が終わる頃、先生は私に意外な告白をした。「実は、地元に帰ることになりまして、この病院を辞めることにしました」と。私は言葉を失った。長い間信頼していた先生がいなくなるという現実に、心の中が一瞬で不安に包まれた。
新しい先生がどんな人なのか、私との相性はどうなのか――考えるだけで気が重くなった。そこで、私はかつて診てもらった緑川先生のクリニックに通うことを決めた。緑川先生なら、信頼できるし、人柄も素晴らしい。しかし、彼の人気ゆえに予約が取れるかどうかが心配だった。
デイケアでバンドのメンバーで話をしていると、美人の作業療法士に声をかけられた。私が仕事をするようになってから彼女は笑顔で対応してくれるようになった。
診察の帰り道、駅で少し休憩するために喫茶店に入った。コーヒーを注文し、会社に午後は行けないことを伝えるメールを送った。身体も心も限界に達していた私は、なんとかバスに乗り込んで帰宅した。ベッドに倒れ込むようにして眠りに落ちた。
夢の中で、私はなんと南野陽子さんとオンラインで話していた。昔、夢によく現れていた小泉今日子さんが、不倫騒動で嫌いになって以来、夢には出てこなくなった。代わりに、私は一つ年下の南野陽子さんのファンになったのだ。彼女は若々しく、そして美しい。品があり、和服が似合う姿も素晴らしい。
夢の中で、私は彼女に「お父さんはどんな仕事をしていたんですか?」と尋ねた。すると、彼女は微笑みながら「これよ」と言って、社歌をバックダンサー付きで歌ってくれた。その歌声とともに、私は目を覚ました。南野陽子さんと話せたのはとても嬉しい事であった。
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