第538話 2024/08/12 ㈪ 徹夜の後の一日

朝八時。ようやくベッドに倒れ込む。夜が明ける前に収録したラジオトーク、テーマは自伝的小説『限界突破』だった。だが、収録を終えても、心に残るのは虚しさばかり。リスナーは誰もいない。マイクの向こう側には、ただの静寂が広がっている。


「これでいいのか?」という問いが頭をよぎる。やっぱり、カクヨムにアップした方が読んでもらえる。ラジオトークで少しでも誰かの心に届くのなら、それも悪くないかもしれないが。


午後七時、スマホを手に取り、ベースの玉ちゃんにラインを送った。「フェンダーのベースシックス、弾いたことある?」と尋ねると、返ってきたのは短い答え。「あるけど、あんなんギターと変わりませんよ。」その言葉に笑みが浮かんだが、私は少し思案する。「ギターのハイポジションがキンキンして聞くに堪えないんだ。」とぼやくと、「ギターのハイポジ弾かなかったら良いですやん。」という返答。それもそうだ、と思わず頷く。


その後、友人の家を訪ねることにした。ドアを開けてクーラーの効いた部屋に入ると、さっそく彼が、私に焼酎を差し出してくれる。彼の笑顔と共に、夜が静かに更けていく。話の輪が自然と広がり、時間はあっという間に過ぎた。しかし、いつも飲ましてくれるのも悪いと思い、コンビニに行って、アイスキャンディ、焼酎、コーヒーを差し入れした。


帰り道、彼に預けていた肩にギターを背負いながら、心に少しの余韻が残る。友人宅を出たのは午後11時半。帰宅して、シャワーを浴びた。夕食には、野菜の煮つけ、豆腐、そして残り物のカレーを食べた。だが、そのカレーは少し酸っぱくて、もう限界が来ていたのかもしれない。


実は、彼に預けてあったギターはバッカスで新品だったが、チューニングがすぐ狂ってしまう。あのギターを売って新しいヤマハのギターを買いたいという思いがある。

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