具象と抽象・前
神韻縹渺2
あくる日。
「みんな!
「
「いや…
俺が鬼やるからとの
「2人も隠れて。じゅ…に…30数える」
「遊んでくれるのですか」
「うん」
「大変ではありませんか」
「うん。ほら、隠れて」
促すと、オロオロしていた2人は嬉しそうに手を取り合いどこかへ走っていく。
───
暮らしの拠点は古ぼけた廃墟。生活費の
話を聞き、ならば皆の分の菓子を持って再度遊びに来ると約束して翌日…要は今日。広場を訪れた
30秒。よし。
顔を上げ、伸びをひとつ。あまり遠くには行かないようにと
「見つけた」
階段の横、膝を抱える少年とその隣の少女の額をトンと突っつく。楽しそうに笑って広場中央へ戻っていく後ろ姿を見送り捜索再開。
扉の裏、部屋の隅、柱の陰。ほんのわずかなスペースに隠れているお子様達。1メートル前後の小さな身体はどんな隙間にだって入り込めてしまう。それなりに苦労をしつつ、しかし非常に手早く発見していく
ところが、
「全部の建物確認したのに」
子供達はクスクス笑い、
そのうちに、その場に居る全ての者が2人を探しはじめる。ワイワイガヤガヤと大捜査…しかし、どこを暴いたとて、影も形もない。改めて広場中央に集まる
「降参しよっかな」
ポソッと
「降参なのですね、
「
「え、嘘?ずっとそこに居たの?」
ビックリ箱さながら現れた
「俺の負け。またみんなに
言いながら
それからひとつ、面白そうな企画を立てた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「だからよ…そーいう事になってんなら先に言えっつの…」
昼下がり、【東風】ソファで
「しょーがないじゃない、俺も知らなかったんだから」
カウンターから声を飛ばす
「
「言ったら
「へぇ?よくわかってんなぁ」
不穏な笑顔を
「でも
「どこをどう見たらその発想になんだ
あっけらかんと放たれた
「ほら、出来たよ魚人」
「わぁ!!魚人さん可愛いのです!!」
「あと何だっけ?マンドラゴラ?」
「はい!!お願いしたいのです!!」
「
「そりゃどーも。つうか
身体を起こして
「俺ももうすぐ描きあがる」
サカサカとペンを動かす
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