焦熬投石
六合彩とご新規さん
焦熬投石1
「
「今聞かれるとちょっと困っちゃうね」
クルクルと指先で鉛筆を回す
今日も今日とて競馬で全財産スッていた
用紙を眺めて考える
「番号どうしよっか」
「日付とか時間とかでいいだろ」
「さすがに雑過ぎない?」
「じゃあさ!これで決めよ!」
言うが早いか
「…え?混んでんね、この店。出直そうか」
「いやっ!平気!誰も、客じゃ、ないから」
「そんなことあんの?」
地に伏したまま首だけを動かしてうめく
来客を認めた
「2度目まして。どした」
「前に貰った煙草、売ってたら欲しくて」
友達?との
「あぁ、
───
男は皆を一通り見回して、何となくの事情を了解するやニット帽を脱ぎ、
「あの件で迷惑かけたのか?だとしたら……悪かった。謝ってどうにかなるもんでもねぇけど」
存外に真摯な声音と態度。予期せぬ対応に
「お前のせいってこともねーだろ。座れよ」
促されて、テーブルに歩み寄り椅子へと腰を下ろす男。隣の
「ていうかよく【
「クラブに来るネーチャン達に聞いた。ピンクカジノで働いてる
サラッと返され若干気まずい表情をする
初めまして!
「ここ菓子屋?薬屋かと思ってたんだけど」
「薬屋です。お茶や漢方も御座います」
「飯屋にもなるけどな」
「飯屋は
「あー、ここはB&Bだったか。飯だけじゃなくてベッドもあるし」
「やめて!また誰か転がり込んできちゃ…」
からかう
「
「DJっつーか、好きでやってるだけだよ。プッシャーはバイト」
サイコロを振りつつザクッと斬り込む
「
「俺?ってことは
「そうだにゃあ。そんかわし、食ったら皆で【
舌を出す
「別に席あんじゃねぇの」
「でも7人でしょ?いつもより多いじゃん」
と、
「なんか…お前ら、仲良いんだな…」
その言葉に元気よく首を縦に振る
────この出会いが新たな騒動の引き金になるとわかるのは、ここから少し後の話だ。
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