ノッポと食道楽
千錯万綜2
いつもの午後、食材の調達、買い食いをする
今日も今日とてマフィア、半グレ、チンピラ達は
途中、茶屋で足を止めた
その
続いて怒鳴りちらしながら歩いてくる男達…チンピラ同士の喧嘩だろうか?
瓦礫から立ち上がったその影は椅子を引っ掴み、
「え、何これ」
タイミング悪く茶屋から出て来た
突然のことに反応がワンテンポ遅れた
「んだよノッポ、自殺志願者か?」
「な訳ないでしょ!!どういう状況?」
焦る
「どうしたらいい?」
着地と共に手短に問いかける
「迷路みたいだな
道中、青年がキョロキョロと周りを見渡しながら髪をかきあげて呟く。強気な瞳の端が、楽しそうに下がった。追手の姿はない…どうやら無事に撒けた様子。
「何で喧嘩になってたの」
「ん?絡まれたから蹴っ飛ばしただけだよ、うっぜぇのマジで」
「気ぃ荒いな」
青年は
「荒くねぇわ、普通だわ!せっかく美味しく
その台詞に
「光明軒の?」
「そう、そこ!旨かった!有名なの?」
「あの辺なら光明軒が1番美味しい」
「ってことは、他のエリアならもっとイイとこがあるっつう訳だ」
「んー、俺のオススメは…」
会話に華を咲かせはじめる食道楽達を引き連れ、
「用心深いじゃんノッポ」
「今物騒なのよ…前から物騒だけど…」
カカッと笑う青年に、砦内の情勢を知らないのかと
「よく知らねーな。九龍来たばっかだし」
青年は首をひねる。聞けば、つい先日に
台灣の角頭が死んだ影響でこの街もピリピリしていると
適当な雑談──主に
「てかさ。
「なんでよ!!」
「
どうしてこう次から次へと流浪人がやってくるのか…そういう街ではあるが…思わず大声を出す
「俺は別にかまわないけど」
「
どうも食べ物の話で盛り上がって気が合ったようだ。
「
「─────え?お前…」
ダボッとした服のせいであまりわからなかった体型。白い肌、細い腰、
「名前言ってなかったな。
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