十年と一日
酒言酒語2
背中から薬棚に落っこちる
ウヒャヒャと
「いっっっ…たぁ!!何で投げたのぉ!?」
「わかんない」
キョトンとした
「
「痛だぃっ!!」
「投げろって」
「変わんないでしょ別に!!」
指をクルクル回す
「ねー
明らかに酔いが回っている
「おい
寝てる。
そうこうしている間に枕の中身は全て放出。寝室は──ポジティブに考えよう、ポジティブに──
現実から思考を逸らした
ん?入り口の電灯消し忘れたか…シャッター開けるの面倒だなとボヤきながら腰を上げ、
銃を構えた
「…撃った?」
「え、消さなきゃって言うから」
「開けるの面倒だったんでしょ」
「面倒とは言ったけどね!!」
手荒も手荒。こんなに恐ろしい親切心があるのか…。焦った
「
1番マズい相手への告げ口。
それを聞いて再びズンズンと近付いてくる
こうして夜の魔窟で宴は続く。なにかの破壊音、そして、止まない悲鳴と共に。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
正午頃。ベッドからノソノソと起き上がった
「おはよ。早いね
おう、と応える
「何で粉々なの?」
「何ででしょうね」
昔、幼い頃に父の家に行った際、誰かが暗がりでガサゴソやっていて。
「髪切ったんだね」
あの時はもうちょっと髪が長かった。
「え?切ったかな?」
確かに九龍で再会してからの
「電球、
ついでに店前の通路の掃除もしてから2人が店内へ戻ると、起き出した皆がテレビをつけたり煙草を吸ったりシャワーを借りたりと既に好き勝手やっていた。
「あったま痛ぁぃ…」
「お子ちゃまのくせに飲むからでしょ」
涙目で訴える
「お茶淹れてやるから待ってなさい」
「あ、俺も欲しいな。あとお腹空いたかも、食べ物ない?」
「
「眼鏡、
「
ギャアギャアやっていると玄関に人影が現れ、続いて元気な挨拶が響く。
「おはようございましゅっ!」
「おはよです」
タイミングの良さに
「え、なんで?すごくない?」
「昨日頼んどいたんだよ。昼頃に飯持って来てくれってな」
パイプをふかしつつ
「
「テメェの飲み代のツケから引いといてやるよ。財布持ってきてねんだわ」
「棚とか直すの俺も手伝うから」
今日も、何も変わらない、1日がはじまる。
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