旧雨今雨・下
姫様とお買い物
旧雨今雨8
「で、あん時
ポポッと煙を吐き出し笑う
「
「別に大変じゃねぇよ。そんなもんだろ」
そう思って
「でもさ…今はみんながいるもんね…」
その言葉に
窓の外では月がもうかなり高い位置まで昇っている。
「おら、そろそろ寝──…ん?寝てんのか」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
幾日かが過ぎ。調べていくうちに、どうやら12Kの下っ端と
代わりに別の事実がチラリと見え隠れした。
このグループ、人身売買で稼ぎを得ているようだが、以前【天狼】に同業がやられたとボヤいているらしい。
「
お昼時の【東風】、
「
「ちょぉ前に色々あってん。今度話すわ」
不思議そうな顔で大皿の
あの時
【天狼】にやられた、
「最近
料理を箸でつつきまた険しい表情をする
「
「ん?そうね、
「でも、なんで
「
はたから見れば
実の所、
「集まってる場所とかは?」
「この前揉めた時アジト変えとるみたいでな。やからまだ情報足りひんけど、すぐわかるやろ。手口とか見とると
「もうちょい時間くれや。必ず、突き止めたるから」
言い切る
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「…って感じなんだけど」
【宵城】、
もしも
先ほどの話し合いには続きがあった。相手のアジトが判明した場合、可及的速やかに
こっちは既に──向こうが
このグループはバックに大組織がついているというわけでもなさそうなので全滅させてしまえばそこでおしまい、後腐れ無し。
それになにより
「いいんじゃねぇの。任せるわ」
「
「ちょうど
パイプの煙を吐いて笑う
「パクらせちまえばいいだろ、
九龍城砦から出れば法律が及ぶ。人身売買や売春で地域外へと商品を運ぶのなら、そこを国家権力に押さえさせればいい。わざわざ外へ行くなら女に限らずその他のよろしくない物もいくらか持ってでるだろう、令状に困ることは無い。
マフィアには
そして警察に捕まってしまったのであれば、もうそれは
しかしそれには確実なソースが
いつ、どこで、どんな悪事を働くか。信憑性のある情報をリーク出来なければ警察だって動かない。
内容のメインは国際的な人身売買で、出発は九龍灣。
問題は、
この情報を手に入れる為には。
「‘お買い物’に参加するってこと?」
「お?わかってんなぁ
ワクワクした表情をする
一枚噛むのだ、【宵城】も。噛ませてもらえるように持っていく。
まだあと数回は九龍を拠点にどこかへ売りに行くだろう、だが、出来ればもう次の売買でキメたい。
「とっととやらねぇとな、
「出番だぜ、姫様?」
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