胡乱と鶏鳴
光輝燦然4
翌日、まだ
「おはようみんな!」
「おはよう。今日も宜しくね」
「おはようございます
「……ぉふぁょ………」
にこやかに挨拶を返す
「
「……ぅむ……」
「朝飯食うとらんからちゃう?食べれば元気出るで
とはいえ朝方の九龍では開店している飲食店は少ない。もう数時間経てば
「あ、これ
「よく気付いたね!
「そりゃあ…いうて知らんやつおらんやろ、いつもやっとるし
言いながら、
「CMみたいにやってあげよっか?」
そう口にするが早いか
「
コーヒーと紅茶の苦味でうっすら意識を覚醒させた
「本日は花街でのカットから進めて行きたいと思います。宜しくお願い致します」
言葉とともにマネージャーが頭を下げ、スタッフ達は撮影準備に入った。カメラマンがバタバタと通り過ぎる。
そして撮影スタート、日の出を迎えネオンの消えかかる風俗街の看板を背景に何百枚といった写真が撮られていく。途切れることなくひたすら聞こえ続けるシャッター音。
その音が鳴る度に、ほんのわずかずつ表情を変える
プロってすごい…月並みの感想をいだきつつボケッとその様子を眺める
離れた場所で何やら話し込んでいる。
ずいぶん仲が良さそうだった。仲が良いというか、昔から親交があるような…
「気になるなら聞いてみれば?」
2人を見詰める
「いや、ええよ。必要やったらそのうち話してくれるやろ」
「そっか」
朝日が差し始めた九龍の街の中、光を受けて輝く
「っ、
揺れたのはロープだった。
老朽化した看板を取り外すために組まれた竹の足場を結ぶロープ。それが切れてほどけ落ち、瞬く間に足場は崩れ竹の束が
間に合わない、わかってはいたが駆け出した
「危なー…」
言いながらその人影、
足場が崩れ落ちてきた瞬間に、驚異的なスピードで滑り込んだ
突然の出来事に放心するスタッフ達。だが、事態を飲み込むと戸惑いと怒号で辺りは包まれた。
ポカンとしている
「大丈夫?」
「あ…ビックリしちゃった…凄いね
「たまたま傍に居たから。
多分
そこへちょうど
「
「平気よ、
「どないしたんですか?」
「ん?うん…いや、なんでもないよ」
「ありがとう
「わかった」
短い返事で承諾する
得体の知れない不穏な空気が、
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