味方と豉油雞
枯樹生華 9
「
相変わらずの
暖かな風が流れ、太陽を反射する水面を突き抜けて魚が跳ねる。チチチッ、という鳥の鳴き声が草木の影から聞こえた。
…ん?長いな?不思議に思った
「どうしたの?」
「…
「なんで?」
「
そうきたか。
今後アンバーの情報は
シュンとしている
「
「うん、今週末に九龍灣で会いましょって」
今週末か。もう目と鼻の先だ、飛び付いてきたな。けれどこちらの準備も間に合うはず。
もしかしたら…会えるのは今日で最後かも。そう考え
数ヶ月前の話を思い出す。只の別れでさえこれだけ喪失感があるのに、
場所は奇しくも同じ九龍灣。
それからその日は九龍灣を出て、2人で
街中に立ち並ぶ建造物の屋上に登ったり、お馴染みの
なんと
「キラキラして綺麗なお店ね!お城みたい!」
花街の綺羅びやかな雰囲気と【宵城】の豪華絢爛な佇まいに瞳を輝かせる
「そりゃどーも、ありがとな。遊びに来たのは
わざわざ用意してくれたのか。こういう所だよな、結局
そう
そしてあっという間に陽は傾き、
繋いだ手を離すのをためらう
別れ際、
「
なんと言ったらいいのだろうか。気の利いた台詞は浮かんでこない。
「もし…
ちょっと鬱陶しかったかな。嫌いな奴に味方されても良い気分はしないか。
しかも圧倒的な説明不足。だが
「なにそれ?
案の定不思議そうな表情をする
宵闇に沈む九龍を歩き【東風】へ戻った
今夜も
「なんで
「気ぃ遣ってるんじゃない?
テーブルについて料理を待つ
そうか、と
先日【黑龍】での
「どう?けっこう上手く焼けてない?」
「うん、美味しそう。ありがと
それに伴い
3人で夕飯を食べつつ
やはりきっと、伯父を
「とにかく、手は回しておいたから。
色々と策を講じたらしい
それから当日の流れと各々の動きを軽く打ち合わせし、夕食を終え解散した。
解散とは言ったが帰ったのは
早々に寝室へ引っ込んだ
と、ここでも鼻をくすぐるスパイス…もはや台所だけでなく【東風】全体が
作るの、時間かかっただろうな。
────週末がやってくる。
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