第16話 アセンダント stay or go

私たちは時として、二つの選択からどちらかを選ばなければならないといった場面に出くわすことがあります。また、どちらを選んでいいのか分からなくなるといったことも、誰しもが経験したことがあるのではないでしょうか。

例えば「今住んでいる場所に住み続けるか、それとも新しい土地へ引っ越すのか」とか、「天気が良いので山に登ろうか、それとも片付かない家を掃除しようか」など、今いる場所に留まるか、それとも違う場所に進んでみるかといった具合です。

西洋占星術には、自由意志というものが尊重されます。基本的には私たちの意思、決定に委ねられることほとんどです。

近場の旅行などは、本人が行きたいと思ったときに、条件が揃えば気軽に行くことが出来ます。行っても行かなくても、本人の意思次第でどちらの選択をすることが出来るのです。

時に何が何でもその道に進まなければならないといった、宿命的な出来事も発生します。質問した人の人生を根本から変えてしまう物事、例えば命の危険がある場所へ行く場合などです。もしそこに向かうことによって不利益を被るのでしたら、できればその場所に行くことを回避し、その場に留まることを選択したいですよね。その逆も同じで、その場に留まることによって不利益になるのでしたら、どこか違う場所に移動したらいいと思うのです。そして、できれば自分の選んだ選択肢が最善なものであってほしいものです。

そんな進むか留まるか迷ったとき、どちらに進むかどうか占星術で知ることが出来ます。

ホラリー占星術での質問、stay or goです。

これは非常に単純で、とても簡単で、明確に答えが出るため、私のお気に入りのホラリーでの尋ね方です。よく家にいるか、それとも出かけるかどうか迷った時という、安易な使い方をしています。

進むか留まるかのライトな質問以外にも、引っ越しなどの質問者の今後に大きな影響を与えるかもしれない、割とディープな質問にも対応していますので、とても面白い占い方法だと思います。


具体的な判断方法です。

常に申し上げますが、書かれていることは、鵜呑みにせず必ず実践してみてください。


ホラリー占星術の基本として、占星術師が占いを行う場所の緯度経度でホロスコープを作成します。質問者がいる場所の緯度経度では占いません。

またハウスシステムは、ホラリーで使用する場合レギオモンタヌスを使用してください。なければプラシーダスでも構いませんが、できればレギオモンタヌスが望ましいでしょう。

使用するハウスはアセンダントと、7ハウスです。

留まる(stay)はアセンダント側、進む(go)は7ハウスです。

まず、アセンダントと7ハウスのロードのエッセンシャルディグニティを比べます。そしてどちらが強いディグニティを持っているかを確認します。ディグニティの確認方法は、ホラリー占星術で使用するエッセンシャルディグニティの表を参考にします。ネットで調べれば出てきますが、外惑星が含まれていないものを使用してください。

アセンダント側のロードが強いディグニティを持っていたら留まる、7ハウス側のロードが強いディグニティを持っていたら進むと読みます。

大体はこの単純な方法で結果が導き出されますが、時々判断がつかない場合があります。ディグニティが両方とも同じだった、あるいはディグニティを持たないなどの場合です。そういう時は、アセンダントと7ハウスを見比べます。カスプ近くに惑星や感受点(ドラゴンヘッドなど)が置かれていないか確認します。惑星が凶星か吉星なのか、ディグニティを持っているかも重要です。カスプあたりに置かれた惑星は重要で、そのチャートに大きな影響を与えてきます。

ドラゴンヘッドやエッセンシャルディグニティの高い惑星があれば良い状態となり、逆にドラゴンテイルやエッセンシャルディグニティの悪い惑星があれば悪い状態という表示です。アセンダント側が良いなら留まる、7ハウス側が良いなら進むと読むことが出来ます。

また、アセンダントと7ハウスのロードが向かう場所や、進むスピード、太陽からのコンバスト、サインの移動なども考慮してください。どちらかのロードが置かれている状況が極端に悪ければ、進むか留まるかを決める重要な手掛かりとなります。

月も判断を手助けしてくれる重要な表示星です。月がどのような惑星から離れて、次にどの惑星と近づくのかが、物事の流れを示してくれています。月がボイドであった場合、状況は変わらないとも読めます。月は何時だってそのチャートにおいて、質問の流れを示してくれています。良い惑星に向かうのでしたら良きことが、反対に悪い惑星に向かうのであれば良くないことが待ち受けていると読むことができます。

ちなみに、海外へ行くかどうかは、また別の方法を使います。基本は一緒ですが、使うハウスが違います。これはまた別の機会にしたいと思います。

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