第13話 アセンダント horoscope
アセンダント horoscope
アセンダントとは、ホロスコープの左側を指す言葉です。
ホロスコープを作成すると、必ずASCと円の左側に出ていると思います。
アセンダントは、1ハウスとも呼ばれますが、大体がアセンダントと呼ばれます。なので、アセンダントと言われれば、チャートの左側の1ハウスの線がある場所からを指すのだということを覚えておいてください。
アセンダントは、ホロスコープ上で東の地平線を指します。ホロスコープを地球と見立てると、そこは惑星や恒星が絶えず登ってくる場所です。
アセンダントはホロスコープチャートを作成し、まず真っ先に観察すべき場所です。いきなり他の場所を見ても構いませんが、たいていの質問に関わってきますので、必ず観察しなければならない場所です。占星術師でアセンダントを観察しない人なんていないと断言してもいいくらい、重要な場所です。
では、なぜ重要な場所なのでしょうか?
それは、アセンダントは自分自身を、質問者を示す場所だからです。
占星術においてアセンダントが示す意味は、質問者自身、質問者を含む私たち、質問者がいる一般的な場所、東側を指します。
質問を投げかけた質問者の場所ですから、そこを観察するだけで、その人が今どういう状況に置かれているかが分かります。特に1ハウスの線が刺さった前後2,3度の辺りは、特に重要です。そこに何らかの表示星が置かれていないか、恒星やドラゴンヘッド・テイル、アラビックパーツなどが置かれていないかを、よく観察しなければなりません。
例えば、アセンダントに質問の事柄を示すハウスに当てはまらない、その質問においてなんの役割も持たない火星がいたとします。これはあまりよくない表示です。筆者は健康に関する質問で占った際に、ここになんの役割を持たずディグニティのない火星が置かれていたことがあったのですが、ものの見事に熱を出しました。火星は予期せぬ災難を示すマレフィックな惑星ですので、熱を出すという災難に見舞われたのでしょう。
もちろんこれは、健康に関する質問でなければ作用しません。ホラリーは質問に答える技術です。ですので、聞かれたこと以外は答えてはいけません。とはいえ他の質問でも同様で、作用の仕方は違うにしても、アセンダントに何も役割の持たない火星があるときには注意です。何らかのトラブルやアクシデントが予想されます。
イギリスの占星術師ウィリアム・リリーの書いた本の中には、よくアセンダントのロード(またはレディ)という表現が使われています。
アセンダントのカスプに刺さったサインの場所を支配している惑星を探し出すと、アセンダントのロードやレディを見つけることが出来ます。牡牛のサインに刺さっていれば金星ですし、乙女のサインに刺さっていれば水星です。そのサインのドミサイルと呼ばれる惑星が、アセンダントのロードやレディとなります。
このときに気をつけなければならないのが、ロードやレディは、古典的なサインの支配星を使うことです。古典占星術をもっと詳しく知りたいなら、古典的な支配星を知ってください。古典では外惑星を使用しませんので、蠍のサインだから冥王星を観察する、ではありません。もしあなたが作ったホロスコープのアセンダントが蠍のサインでしたら、火星を使用してください。
話を戻します。ロードは城主、レディは女城主です。土星、木星、火星、太陽がロード、金星と月はレディと呼ばれます。水星は太陽との位置関係で性別が変わります。太陽よりも先にアセンダントを通過すれば(太陽のオリエンタルにあれば)ロード、太陽よりも後にアセンダントを通過すれば(太陽のオキシデンタルにあれば)レディです。しかし、現代ではほとんどレディという使われ方はしません。金星も月も、オキシデンタルにある水星も、皆等しくロードと呼ばれています。
もしあなたが占星術に興味があり、自分でホロスコープを作ってみたら、まずアセンダントを観察してください。そこには、あなたの現状や、置かれている立場や状況、また今の気分なんかも観察できるかもしれません・・・
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