第24話 危険なライブ放送 はっちゃけ回。ラブコメかなぁ?

「ああああ。もう。一体どういう事よ」

 現在、急速に一美の周りから、メンバーが消えていっている。

 別のグループからの度重なる襲撃や、場所移動による餌の不足。


 そして、一美の親友。桐谷奏があまり姿を、見せなくなってきた。

 その理由は、一美には当然理解できていなかった。


 その、奏。

 ああ。目をつぶり、繋がりを意識すると感情が流れてくる。先輩さん達二人。

 直接的接触を持ててうらやましい。この流れてくる感情。そして快感。私の心も体も溶けてしまいそう。

 あれだけあった、飢餓感も全くなくなった。凄いわ。これがきっと恋愛による。心の充足なのかしら。


 日々ベッドの上で、繋がりを使い。実質的覗きに夢中になっていた。

 実は引っ込み思案だが、実にむっつりだった。

 だがそれは、見られるという事は、逆にも同じということ。

 夜中に日々、総を襲っていた、くみだが、ある感情が流れ込んできているのに気がつく。心の底で、もっと。もっとと、訴えかける感情。


「うん? 何か来てる? ねえ総」

「うん? どうした」

「誰か繋がってきている。これは、花蓮じゃない」

「ならあれだ、この前会っただろう、俺の幼馴染みの親友とか言う奴」

「うん。攻撃をしようとした奴ね。あそうだ。あの時仲間になっちゃったんだ」

「そう。そいつが多分覗いている。実際手を出していないから」

「へーそうなんだ。んっ。そっれは、かわいそうねぇ。閉じるのをやめてフルオープンで流しちゃお」

「馬鹿、そんなことをしたら、花蓮もさすがに気がつく。ああっ畜生。俺にも来た」

 何だこれ、体の中で。駄目だ。これ閉じよう。

 このまま信号を受け取ると、受けとして、きっと新しい世界が開きそうだ。


 そんな頃、幸せに寝ていた花蓮。

「ふみゅ。ああっ」

 かっと目が開く。

「この感覚。くみね。何時よ一体? 2時? 馬鹿じゃ無いの? 明日も練習あるのに。こんな感情。受けていたら眠れないじゃ無い。ううっでも体が、くっ。私の右手が意思に反して、やめろ、それをやりだすと、眠れなくなる。やめろうう。くっ右手の制御が封じる事ができない」

 自身の右手を、結局制御できず。花蓮の放送をフルオープンで受け入れて、モゾモゾを朝まですることになる。無論左手も、すぐに制御を離れた。

 さらに。私と感じ方がちがう。

 そんなところに気がつく。

「おなかの奥を、突き上げる感覚。これ、癖になる」


 そんなことをつぶやきながら、明け方。倒れるように眠り始める。

「くみのばか」

 そんなことを、つぶやきながら。無論練習には遅刻した。


 時間は戻り。その元となった原因。

「ひっ。ひゃああぁ。何これ。いきなり感覚がフルに。あ゛あ゛っ。いや。これだめ。変になる。繋がりを切らないと、ああっでも切れない」


 その後。くみのいたずらな生のライブを朝まで受け続け、頭の中はピンクになる。

 自身でやっていても、最終的な感じ方が違う。

 生々しい、受け入れている感覚。


 朝方、彼女は放送が終わると、シャワーを浴び。

 いそいそと着替え始める。

 ストーカー、いや。調査の末発見した。彼の家。

 家人は朝7時半から8時にはいなくなる。


 家に残るのは対象のみ。

 玄関は、鍵が閉まっているので、庭に回り。開きっぱなしの掃き出しの窓を開ける。

 網戸だけで、窓は全開だった。

「お邪魔します」

 

 慣れた感じで、2階に上がり。ノックなどするわけ無い。

 静かに、ドアを開け中へ入る。

 エアコンに効いた室内では、夢に見た彼が、すやすやと眠っている。


 そそくさと、自身の服を脱ぎ。

 なぜか一礼をして、潜り込む。


 イメージはあるが、見慣れない彼の物。

 手でそっと、色々するが、すでにくみにより搾り取られ。今一元気にならない。


 頭の中で、ライブを思い出し、技を駆使する。


 30分以上をかけ、もうその時。自身はどうしようもない。

 準備万端。いつでも来いや。くらいになっていた。

 そもそも夜半から、その手の映像と感覚がずっと頭を支配していた。

 そして、いい加減。能力のせいで支配され。愛おしくて、仕方が無い相手。

 それがもう目の前にあり、やっと、準備ができた。

 もう、おさえることはできない。


 そして、ゆっくりと、しゃがみ込む。

 痛みはある。でも、大丈夫。

 体験のイメージはある。


 そして、意識を開く。


 くみは練習の準備。

 花蓮は遅刻し、学校へと走っていた。


 それは、突然やって来た。

「「はうっ」」

 同時に、奏からのライブを受信。

 

「「これは。やばい」」

 くみも花蓮も、同時にやばい事だと理解する。


「大丈夫?」

 くみの様子を見て、同級生や上級生は、あっあれでも、急に来たのかと心配を始める。

「きついの? 保健室へ行く?」

「あっうん。ごめん」

 でも駄目。保健室に行くと浸っちゃう。


 洗面台で頭から水をかぶり。意識を集中する。

 そして、遮断。

「ふう。こんな時間から。何するのよ全く。それに総。寝込みを襲われたわね」


 そして、花蓮。

「あん畜生。総を」

 そして、行き先は変更され、総の家へと向かう。

 そして、さすがに起き出した総に、仲良くげんこつを食らい。

 2人とも、一週間の接近禁止と、ライブ放送禁止を食らう。


 その間に、杏果ちゃんが、距離感と違和感に気がつく。

 あれ、お姉ちゃんと喧嘩でもしたのかな。

 ご飯が、食べられないといやだなあ。どうしよう。

 などと考え始める。

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