第6話 最低賃金のアップは政策として行っているなら振替休日も


 北欧の国では、最低賃金を無理矢理上げている国があるとドキュメンタリーで見た事があります。


 その国では、最低賃金が払えない会社を国として補助する事は無く、そのまま淘汰させてしまい、賃金が支払える会社だけが生き残らせたので、倒産する会社も有ったとありました。


 要するに、企業に知恵を絞り出させ、会社として儲けられるように考えさせている。


 給与が負担になって倒産しているので、倒産した会社の従業員は、最低賃金が払える別の会社を探して転職して働く事で、最低賃金が徐々に上がっているというものでした。


 最低賃金を払えない会社が潰れる事で平均年収を上げるって、少し乱暴な気もしますが、データとして平均年収はアップして、日本より高い平均年収になっていたと記憶しております。


 日本における、昨年の最低賃金の急激なアップは、この北欧の国の政策を見習ったのではないかと、私は考えております。




 そんな中で大事な技術を持つ中小企業が淘汰されては困ってしまうという話が出るでしょう。


 問題は、これを最初に言う人達の思惑です。


 これは、絶対に大手企業の従業員の給与アップが、会社の負担になるから、反対する大義名分を得る為に言っている事でしょう。


 自分達の使っている零細中小企業の救済の為に最低賃金を抑えることによって、自社の従業員の給与を抑える。


 出入りの企業との給与格差を付けるために、主張している事ではないでしょうか。


 自分の会社の従業員の給与が、下請か孫請会社の方の従業員の給与が高いとか、その差が減る事が嫌なのです。




 どんなに良い物でも、それを宣伝しなければ、その良い物を欲しいと思っている会社や人が居ても見つけてはくれません。


 私も以前は、技術だけを突き詰めたいと思っていましたが、それでは商売にならないというのは、身に染みて感じました。


 ちょっと、きつい事を言っているようにも思えますが、良い物だと思うなら、それを伝える手段を持つ事が重要なのです。


 ブランドにも打ち勝つ良い物は、日本には多く有ると思います。




 私は、ある回転寿司の店舗で働いておりますが、私が作るお寿司が美味しいと思って作った事はありません。


 特に、生魚系の寿司ネタが、私は、食べた瞬間に泥臭く感じるので、食べられなくは無いのですが、好んで食べたいとか、お金を出してまで食べたいとは思いません。


 これは、ほぼ全ての回転寿司チェーン店の寿司ネタがそうでしたが、個人の握り寿司のお店では、その泥臭さが無いので、格段に美味しいと思えました。


 その結果、今、働いているお店のお寿司を購入する事はなく、そこで稼いだお金で、個人のお寿司屋さんに食べに行く事にしてます。


 同じお金を出すなら、美味しいお寿司が食べたいから、今働いているお店では購入する気はありません。


 ですが、業界的に考えてみてください。


 寿司業界の売り上げは落ちてますが、回転寿司の企業だけをピックアップすると、売り上げを伸ばしている。


 コロナ前のニュース番組で報道されてました。


 美味しいから行くのではなく、不味くてもブランドとして定着しているから売れている。


 これが、考える力だと私は思います。


 無理だと思いますか?


 でも、回転寿司チェーンを営む企業でも、潰れかけた話は何度もありますが、まだ、倒産せずに運営されているのは、考える力が、それなりに有るからです。

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