第二十二話 門たる理由
「ふう、終わりましたねビーダン王子」
「えぇ、残りの議題も多くはなかったから数時間程度ですり合わせることがで出来て良かったですフィーリ王女」
ザイトがこの会議にいきなり乱入して今日中に終わらせたほうがいいと断言したために二人はしっかりと残りの議題を片付けたのであった。
そしてそれをわかっていたように部屋の扉が開く。
当然そこにいたのは言い出した張本人ザイトであった。
「どうしたのだ二人してそんな顔をして、終わったのであろう」
あまりにタイミングよく部屋へと入って来るため二人はしっかりと呆れた顔をしていた。
これが直感の成せる技なのか。
「あぁ終わったよザイト。そして聞かせろ、終わらせたほうがいいと言ったのは貴様だ。どうせなにか感じていることがあるのだろう?」
「流石はビーダンよくわかっているな、我が親友よ。では簡単に言うぞ。ラルクが死ぬ気がする」
「「は?」」
◆◆◆◆◆◆
「そういうことは先に言えないのか!!!」
ザイトは自身が感じている直感を告げた。
そしてラルクの感じる予感も。
両方が合わさればその直感も予感も当たると。
「先に言った所でやらなければいけないことは変わらん。それに先に知ったらビーダンは考え込むだろう」
「それは……そうかもしれん。考え込むだろうな、俺には思いつきを試すことができん。考えていま最良の結論を出す。それしかできん」
ビーダンはザイトに言われたことに納得する。
自分には無理だろうと。
どれだけの情報があろうと後先のことを考えずには動けん固い人間だと。
「ですがザイト兄さんこれからどうするんですか?」
単純な疑問をフィーリはぶつける。
これからの行動はと?
どうやって回避しようとしているのかと。
「その為にサリシアにあの場所に行ってもらった。北門がなぜ門の形をとって作られたか知っているだろう」
それを聞き思わず二人は顔をしかめた。
門というのは基本的に何かの出入り口である。
なら行ける場所があると。
「魔力の水源にサリシア様をですか」
「かの聖女なら往復できるであろうが魔力の水源になどと普通は身がもたんだろうに」
「仕方ない。私自身も正直に言って不安ではある」
私達人間以外も含めすべての生物は初めから魔力などというべきものなど持っていなかった。水源から溢れたからに他ならん。
北門以外にも各地各都市に門が存在するがそこに往き来できるものなど歴代数十人程度、サリシア嬢なら大丈夫だと思いたいが………
私の直感が行けと告げているが門が開くとそれだけ影響力を及ぼす。
出入り口である為に向こうからも魔力が溢れ出て来る。
果たしてどうなるか?
直感的にいい選択肢を取れはするが結果だけはわからんからな、こういう時は不便なものだな。
ザイトは自身の選択がいい結果を引き込めると踏んでいたが不安ではある。
それだけの影響力がある、それが魔力の水源なのだから。
◆◆◆◆◆◆
「サリシア様私達はこれ以上進めません」
「うんそうだね、これ以上は飲まれるだろうね。ここからは私一人でいくよ。第二門まで開けてくれてありがとう」
サリシアは北門にいた門の管理者に扉開けてもらっていた。
今いるのは第二門の扉の前。
「それではサリシア様北門にある残りの門は全部で四つあります。十分にお気をつけ下さい」
そう言って管理者は下がっていく水源にある魔力に飲まれない為に。
「さて、行きますか」
サリシアは奥へと足を進める。
魔力の水源へと。
「まだ第二門だっていうのに本当に力の塊が過ぎるよここは」
サリシアの得意分野は理解である。
ゆえに分かる、わかってしまう、ここがどれだけ異常な場所だというのが生物が触れていい所なのかと。
~あとがき~
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