第十話 強襲
「サリシア様」
「なにかな?」
「とりあえずこの辺りの地面からでいいでしょうか?」
「そうだね~というよりそれぐらいしかないよね。綺麗になにもないし」
やったの私だけど。
こうなるならオーガ達だけにしとけば良かったな、周りも全部消すんじゃなかったよ。
でも綺麗にしてこいって言ったの陛下だし
地形ごとに調べないといけなくなるなんて考えないよ。
これで何か見つかればいいけどまぁ無理だよね。
こんなので見つかるのならもう分かっているだろうしどうしようかなこれから。
◆◆◆◆◆◆
「大体終わったか」
「ギギィ!!!」
「そうか報告ありがとう」
「ギギィ」
「この一帯は支配し終わった。後はゴブリン達の報告があった人間達が住む場所くらいか」
あれからゴブリン達を全て支配しきり周りにちらしたがなかなかに使える。
武力という一点でいえば明らかにこの前支配したオーガ達の方が強いが数が多いぶんその数を使って僕が支配するべきだった相手を探して来て報告をくれたりする。
ゆっくりだが確実に僕の支配がうまくいっている。
そう思考するは支配の想いより出来上がった怪物。
怪物は確実に支配圏を増やしていた。
全部自分の物だと言わんばかりに。
「そろそろ人間達の支配に動くか」
動くき出すは絶対の支配者になろうとする者。
「手始めにお前達を使うとするか」
怪物は自分が支配したゴブリン達全てに召集をかけた。
「まずはお前達で仕掛けてこい」
「「「「「ギギィ」」」」」
数百以上の下手をすれば千にも及ぶ数のゴブリン達に指示を出した。
一斉に動き出すゴブリン達。
攻めてこいと。
「さて、僕のオーガ達を倒した奴が出てくるかそれによっては対応を考えないとな。流石に数が多いとはいえゴブリン達では荷が重いだろうし」
オーガを倒した奴以外にも抵抗する奴は多いだろう。
今までも大体の奴らが抵抗してきたし……最悪僕も前に出て戦うかもしくはあいつらを出すか。
どっちがいいかな。
怪物はしばらく考え込む。
どう攻略していくかを。
だが結論はすでに出ていた。
「結局最後には僕が全部支配するんだしそんなどうでもいい事考えていても仕方ないか」
動き出す怪物は世界にとっての災厄。
名をリアラの怪物。
自身の目的を達成する為だけに世界をめちゃくちゃにする。
「さぁ僕の目的の達成の為に行け。僕の支配を受け入れた者たちよ」
怪物の号令によってラグナに向けての進軍が開始された。
◆◆◆◆◆◆
「やっぱり何も見つかんないよねリーア」
「そうですね。何もなくて綺麗ですよ」
「だね~」
本当にどうしようかな。
オーガ達も綺麗にしちゃっていないし普通に困ってしまった。
「サリシア様!!!」
これからどうしようかと考えていたところに大声で自分を呼ぶ声が聞こえてくる。
それも相当に焦った声で。
「(何か見つかったって感じじゃないね)どうしたの?」
「それがラグナに向かって大量のゴブリン達が押しかけていて」
「大量って言ってもゴブリンでしょ。そこまで焦らなくても良いんじゃ」
「リーア本当にそれだけならこんなに焦ってない!!!ゴブリン達ならどうにかなるかさ」
ラグナに向かって来るのはゴブリン達だけに留まらなかった。
「とんでもないものを見つけたのかな?」
「はい!!大量のゴブリンを引き連れてそこにデュラハンまでもが確認されたとそれも十三体も」
「デュラハンってあの首無し騎士達か」
「十三体ってそんな数がいきなり現れるなんて」
いきなり現れるなんてまるでオーガ達みたいじゃないか。
大量のゴブリンに十三体ものデュラハ。
普通は気付かないなんてあり得ないし。
急いでラグナに戻ったほうが良いねこれ。
「ごめん私は先に行くよ」
「サリシア様!!!」
最速で飛ばすサリシア。
取り返しがつかなくなる前に。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます