第三十三話
僕は遂に王城に帰ってきた。
帰ってきたらすぐに侍女にジャケットを受け取られてミカがやってきた。
「ミカ、如何した?」
「殿下がいなかった間に書類が溜まっています。早く仕事をしてください。」
「その前に母上にリクトと帰国の挨拶をする。兄上は晩餐でいいだろう。寮には明日戻ると連絡を入れておいてくれ。何で飛び級試験を突破しようと寮を出れないのだ。おかしいだろう。」
「了承しました。王太后陛下に連絡しておきます。後寮の件に関しては確かに不便ですので校則を変えるように国王陛下に相談させましょう。」
「ああ。助かる。寮じゃなくて王城に戻ったら仕事も早く終わるしな。旅にも出やすくなる。」
「ただし殿下、一つだけ言いたいことがございます。寮を飛び級した生徒に禁止したらそこにおいでになるリクト殿などは困るでしょう。寮はとても安くて便利なので。その救済処置でしょうがまあ卒業試験を突破して卒業資格を得る3年生を終了するのを待っている殿下は少し事情が違うので交渉次第かと。」
「うんじゃあよろしく」
「レオ殿下、王太后陛下より許可を頂きました。」
「わかった。リクト行こう。母上が前にリクトにも会いたがっていたし。」
リクトは僕についてきていたが足がガタガタ震えていた。
「リクト、緊張しているでしょ。」
「うん。めちゃくちゃ緊張している。俺、こんな偉い人と会ったことないし会うことはないと思っていたから。」
「一様僕も王弟だよ。」
「そうだけれどあんまり有名でもなかったし。同年代だったから。」
「母上は僕と接するのとは違うと?」
「うん。俺礼儀作法全く知らないしさあ。」
「まあやればできる。」
「ありがと。励ましてくれて。」
「レオナルド王太弟殿下、リクト、ダール騎士爵子息がおいでです。王太后陛下、入室の許可を。」
「入りなさい。」
僕とリクトは入室して僕が前に、リクトが僕より一歩下がった場所にあった。
「母上、アームバルト教国より帰国致しました。」
「レオ、よく帰ってきたね。背後の子はリクト君かしら。」
「リクト、自己紹介しろ。」
と僕はリクトの耳に囁いた。
「リクトフォンダールと申します。ダール騎士爵の4男です。」
「そう。よろしくね。いつもレオがお世話になっているわね。これからもレオと仲良くしてやってね。」
「はい」
「レオ、何にもトラブルは無かったのよねと言いたいところだけれどリカルドから聞いたわ。リウネ男爵を助けた話のこと。偉いわね。王族たるもの自分より弱い立場の人間は絶対に助けないと。」
「はい。母上、ありがとうございます。」
「旅で疲れているでしょう。もう戻っていいわ。レオ、リクト君来てくれてありがとう。」
僕はリクトを連れて執務室に戻ってリクトは寮に帰って行ったが僕は書類に忙殺され始めていた。ただし僕は大和という東の国に行きたいと思っていた。
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